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日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか

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ものづくりに情熱をかけるアップル

技術の目利きと調達力

泉田良輔 氏

世界中から最先端のデバイスを集める

 アップルの製品を裏返すと、"Designed by Apple in California, Assembled in China"とあります。これはどういう意味かというと、設計はカリフォルニアにあるアップル本社で行っていますが、組み立ては中国で行っているということです。具体的には、世界最大のEMSである鴻海が組み立てを行っています。

 アップルは、日本の電機メーカーのようなものづくり――社内でデバイスの研究開発をして、キーデバイスを自社の工場で製造するということはしていません。アップルは、常に世界中から最先端のデバイスについての情報を集め、さまざまなデバイスの特徴を見ながら、次の製品にどう活かせるかを考えているのです。いわゆる「オープン・イノベーション」という考え方です。

 自分たちの手でものづくりをしていないので、アップルのハードウエアにかける情熱は日本企業に比べて劣るように思われるかもしれませんが、実際はその反対です。世界で最も、ものづくりに情熱をかけている企業ということができます。アップルは、ハードウエアを最高のものにするために、バリューチェーンのなかでも「設計」を重要視しています。

 ここで、ものづくりの定義を明確にしておきましょう。ものづくりとは、大きく次の3つのプロセスからなります。それは、①設計、②製造、③品質保証です。

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