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「チャイナプラスワン」の最右翼、人気再燃の親日国家ベトナム

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ 古川エドワード英太郎氏

 ベトナムの2大都市、ハノイとホーチミン。どちらをとってもまずはバイクの数に圧倒される。道を横切るのに時間を要した経験がある方も多いのではないだろうか。

 ここベトナムは、仏教徒が80%を占め、階級制度や宗教間紛争などは少なく、治安も比較的良い。親日国家としても知られ、安倍晋三首相が再登板後、初の外遊先として今年1月に訪れるなど、日本との関わりも深い。社会主義国であるが、1986年に市場経済化を進めるドイモイ政策を提唱して以降、発展を遂げてきた。今では街中に高層ビルが立ち並び、その合間を車やバイクが行き交う大都市へと変貌した。

マーケットは発展途上

 現在、日系企業の進出数は約1500社で、在越邦人数は1万人。2012年度の日本企業の直接投資額は、317件、56億ドルに上る。日本からの輸入金額の構成比は、繊維品 15.0%、電線ケーブル 11.9%、機械・設備 11.7%。輸出金額の構成比は、鉄鋼製品 17.7%、コンピュータ・電子製品 11.4%、原料別製品(プラステック等) 7.9%となっている。国全体の輸出入品目は、下図の通りである(図1)。

図1 ベトナムの輸出入品目 (出所)ベトナム税務総局 (出所)ベトナム税務総局

 国民1人当たりのGDP(国内総生産)は1500ドル(2012年度)とまだ他のASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と比較しても低い。一般的に耐久消費財の普及が加速すると言われている1人当たりGDP3000ドル以下ではあるが、ここ10年は5~7%の成長率を維持しており、更なる成長が見込める市場の1つである。所得水準もここ数年で上昇しており、中間所得層の厚みが一段と増していくとみられる(図2)。

図2 所得別人口 (出所)JETRO調査レポート(2011年1月)<br>

(注)低所得者層:年間5000ドル以下、ローワーミドル:年間5000ドル超15000ドル以下、アッパーミドル:15000ドル超35000ドル以下、富裕層:35000ドル超 (出所)JETRO調査レポート(2011年1月)
(注)低所得者層:年間5000ドル以下、ローワーミドル:年間5000ドル超15000ドル以下、アッパーミドル:15000ドル超35000ドル以下、富裕層:35000ドル超

 これに伴い、小売りなどを中心に国内市場が拡大してきている。小売市場は年率7~10%の成長を遂げている(図3)。ここ数年の日系企業からの投資も、生産拠点としての投資だけではなく、国内消費市場への進出を目的とした投資が増えている。

図3 ベトナム小売市場規模の推移 (出所)各種資料を基にSDI算出 (出所)各種資料を基にSDI算出

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