日本経済新聞 関連サイト

気づく技術!

記事一覧

商品の「使われ方」に思いをはせ、新たな価値を吹き込む

JOYWOW 阪本啓一氏

 本連載のテーマである「気づく技術」は商品企画にも役立つ。今回は、あなたの商品をお客さんが買ってくれた(つまり、あなたが売った)あと、どう使われるかに想像力を働かせてみよう。商品が使われているシーンを想像し、そこで気づく何かに合わせて商品設計することで、他社製品とはひと味違う「とんがり」(差異)を生み出すことができる。

「赤ちゃんの成長の可視化」という価値

 出産祝い専門店ココレカプラスの看板商品である赤ちゃん用バスタオル(ガーゼケット)の「Hajimari」は、赤ちゃんの名前と生まれたときの身長を刺しゅうしてくれる。10センチ間隔でドットがプリントされているので、お風呂あがりの赤ちゃんをHajimariの上に寝かせるたび、親はわが子の成長を目で知ることができる。この、「成長の可視化」のおかげで、子育ての喜びとがんばっている自分への「おつかれさま」を同時に感じられるのである。

<b>ココレカプラスのガーゼケット「Hajimari」</b><br>ガーゼ生地のバスタオルで、ベビーベッドのシーツやブランケットとして、あるいは赤ちゃんの「おくるみ」としても使える。 ココレカプラスのガーゼケット「Hajimari」
ガーゼ生地のバスタオルで、ベビーベッドのシーツやブランケットとして、あるいは赤ちゃんの「おくるみ」としても使える。

 ココレカプラスの古川理沙社長によると、商品企画の際、「赤ちゃんが大人になったとき、これ(Hajimari)を家族で見てもらいたいと思っていた」という。「もともとタオルに名前の刺しゅうをするようになったのも、自分たちの商品を少しでも長く使っていただきたいと思ったから。そして、素材は化学繊維を使わずコットン100%であること、長く使ってもみすぼらしい感じになりにくいように、表をガーゼ織り、裏をパイルにしました。また、生地の良さが生きるように、デザイン(プリントする面積)が極力小さくなるようにしました。最初は動物の絵柄もドットも大きかったんです」。

 さらに、子どもとの会話のきっかけになるよう、動物たちのエサ(ゾウの上にバナナ、キリンの上に肉・・・)を柄の中に散りばめている。「この動物は何?」「ゾウ!」という会話や、「じゃあ、ゾウさんは何を食べるのかな?」という絵本のような使い方ができるわけだ。

 つまり、Hajimariが提供している「価値」は、単なるモノとしてのガーゼケットではなく、「赤ちゃんの成長の可視化」なのである。身長が伸びたことを可視化できるだけではなく、子どもとの対話を通じても成長の手応えを得られる。それが、親としての喜びになる。

この記事は会員限定コンテンツです。
続きを読むには、日経BizGateに会員登録(無料)してください。

最初に日経IDを取得し、その後日経BizGateに利用登録します。
おすすめ記事やキャンペーンをお知らせするメールマガジンもご利用ください。

すでに登録済みの方はログインしてください。

今すぐ登録 ログイン

PICKUP[PR]