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小が大を超えるマーケティングの法則

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「販売活動」と「マーケティング活動」はここが違う

岩崎邦彦 氏

「販売」と「マーケティング」は正反対

 前回は、緑茶業界は、お茶の葉っぱを売る「茶葉ビジネス」ではないということを述べたが、これは何も緑茶の業界だけの話ではない。あらゆる企業にあてはまることだ。商品の販売が不振になると、何とか今ある商品を売り込もうという、売り手の発想に陥ってしまう。「売りたい気持ち」が先行してしまうのである。

 これまでの多くの小さな企業の試みをみると、自社の商品を何とか売り込もうと努力を続けてきた感がある。「商品が売れない。だから、何とかして、商品を売り込もう」。

 実は、これは、「販売の発想」である。マーケティングの発想は逆である。「マーケティング」は、どうしたら消費者が買いたい気持ちになるのかを考える。

 「つくったものをいかに売るか」が販売であり、「買いたくなる商品をいかに提供するか」がマーケティングだ。換言すると、販売活動のスタートポイントは「商品」だが、マーケティング活動は、「顧客」がスタートポイントになる。顧客が買いたくなる仕組みをつくること。それがマーケティングの目的なのである(下の図参照)。

 ピーター・ドラッカーは、マーケティングの狙いは、販売を不要にすることであると言っている。消費者が商品を買いたくなってくれれば、無理に売り込む必要はなくなるということだ。

 「どうすれば、商品を顧客に売ることができるのか」と考えるのではなく、「どうすれば、顧客が商品を買いたくなるのか」と考えることが大切なのである。

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