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ブランドは誰のもの? その答えが数年で一変

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 こんな一風変わった質問が、2000年代後半から目立つようになり、今日ではとても重要な意味を持つようになった。

 「ブランドは誰のものか?」

 ブランド戦略ブームが巻き起こった2000年初頭に同じ質問をしたら、「何をばかな質問をしているんだ!ブランドは企業のものに決まっているじゃないか!」と一蹴されていたはずだ。

 しかし、この数年の間に、まったく違う答えが出てくる事態になった。

 世界最大級のデジタルマーケティングカンファレンス、ad:tech Tokyoが日本で初めて開催されたのは、今から4年前の2009年9月のことだ。私は、その中で「User Generated Content:Are we losing control of our brand?~UGC(※)によるブランドオーナーシップの変化」というパネルディスカッションを担当した。日本語の副題は「UGCによるブランドオーナーシップの変化」、つまり、ユーザーが生成する口コミ(評価や推奨)が爆発的に増加することによって、ブランドの所有権は企業から消費者に移行する、ということを示唆していた。

(※)User Generated Contentの略。ブログ記事、Twitterのツイート、Facebookの投稿をはじめ、cookpadに投稿されたレシピ、食べログの口コミなど、ユーザーが生成したコンテンツ全般を指す。日本ではCGM(Consumer Generated Media)と呼ばれる。

 まだブログの時代だった当時から4年が経ち、日本にも次々とソーシャルメディアの波が訪れた。Twitter、Facebookは月間約2000万人程度のアクティブユーザーを持つに至り、LINEは5000万人にも迫る勢いで利用者を広げている。これらコミュニケーションツールの中でやり取りされている1日数千万にも及ぶ膨大なコンテンツは、企業が発信した情報ではないユーザー(消費者)の会話や口コミである。

情報の流れが根本的に変わった

 いまや当たり前のことだが、情報の流れ方の変遷を簡単におさらいしておこう(とても重要な背景なので)。

 インターネットが普及する前、消費者は情報の受け手でしかなかった。情報は上から下、つまり企業やメディアから消費者へ、水が高いところから低いところへ流れるように伝達されていた。しかし、インターネットの登場によって、状況は一変する。情報の受け手だった消費者は、受け手であると同時に発信者にもなり、情報の流れは「一方向」から「双方向」となった。一方(企業)が情報を持っており、一方(消費者)が情報を持っていないという「情報の非対称性」が崩れ、へたをすると消費者の方が企業よりも情報を有している状況まで生まれている。

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