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「伝統的」CIOに代わる新たなITリーダー「CDO」

ガートナー ジャパン 山野井聡氏

 今注目されるITワードを俎上に、そのトレンドとビジネスへの影響について解説している本コラムであるが、今回は、先進テクノロジーそのものではなく、それらを使ってイノベーションを発想し、実現させる担い手は誰かという話である。

 本コラムで取り上げてきた「ビッグデータ」、「ソーシャルネットワーク」、「モバイル」、「クラウド」は、それぞれが密接に関連しながら、個人の生活や社会、ビジネスを変えうる推進力をもつ。こうしたテクノロジーは、我々の周りに広くあまねく存在し、誰もが日常的に使えるようになりつつある。我々がこれから向かおうとしているのは、デジタル化されたモノや情報やプロセスがインターネットを通じてつながることが当たり前となる「デジタルワールド」とも言うべき世界だ。

今のITではカバーできない重要なこと

 こうした状況下では、企業の情報システムも、変化していかざるをえない。ところで、読者の皆さんは「企業情報システム」というと、何を思い浮かべるだろうか? おそらく、会計・人事システムや販売管理・生産管理・顧客管理などの業務アプリケーション・システムをイメージされるのではないか。これらを総称するERPなどのIT用語をご存知の方も多いかもしれない。これらの情報システムの目的は、主に企業内のビジネスプロセスの効率化や自動化、コスト削減、各種経営情報を可視化することにある。それ自体、企業経営には必要なITの成果だろう。しかし、何かが足りない。

 実際、デジタルワールドを前提に考えると、企業のIT活用のアイデアは飛躍的な広がりを見せる。例えば、それはテクノロジーを駆使した新しいビジネスモデルの創出であり、商材の企画・開発から製作、キャンペーン、顧客のアフターケアまで一連のマーケティング機能を含めた新しい顧客体験価値の実現である。

 問題は、誰がそれを推進できるのか、ということだ。企業のIT戦略には、CIO(チーフ・インフォーメーション・オフィサー)役を担う役員や情報システム部門長がリーダーシップをとるのが一般的である。しかし、彼らの多くは時間と経験を企業内のビジネスプロセスの効率化・自動化にのみ費やしている。はたしてCIOは先進テクノロジーのもつパワーをてこに新しいビジネスモデルを発想できるだろうか? 残念ながら、企業の経営層の多くはそのことに懐疑的に見える。デジタルワールドにおける新たなIT戦略、いわば「デジタル戦略」を指揮できる、新たなリーダー像を模索しなければならない。ここで、CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)が登場するわけである。

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