日本経済新聞 関連サイト

ソーシャルメディアのその先へ

記事一覧

「で、それをやったら売れるの?」という愚問

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

 また、流通の側面から最も興味深かったのは、ビールメーカーとコンビニエンスストアの店頭調査プロジェクトだった。これは、様々な仮説から複数の棚割りを実際に試してみて、どの棚の、どの位置に、どのブランドが何フェイス並ぶと棚の効率が何%向上するかなど、売り場を科学するための地道な実地調査を繰り返すものだ。それら店頭調査の結果をもって、メーカーの広域流通部の方々に棚割提案ツールを用いた実践研修などを行ったりもした。

 これらの経験から私が学んだのは、新しい商品が生まれ、それが全国の小売店の棚に並び、消費者に買ってもらうまでには、本当に多くの部署や担当者が関わっているという事実だった。

売り上げは何によって作られるのか?

 しかし、20代で学んだマーケティングのカルチャーは、33歳で転職したマーケティングコミュニケーションの業界で、良い意味でも、悪い意味でも打ち砕かれた。広告業界で働く多くの人たちは、商品が売れるかどうかは、広告の出来によって決まると信じているようだった。

 もちろん、広告(を含むコミュニケーション全般)は商品が売れるかどうかを左右する大きなファクターだろう。しかし、当たり前だが、商品が売れるかどうかは、広告によって「のみ」決まるわけではない。

 例えば、メーカーにおける商品の売り上げは、下記要素の影響を強く受けている。

【内部環境】

  • 技術力
  • 商品コンセプト
  • 商品力
  • 過去のブランド資産
  • 店頭価格
  • チャネルカバレッジ、インストアシェア、売り場や棚の位置、フェイス数など
  • 広告、PR、キャンペーン、イベント、サンプリング、店頭販促など
  • 広域営業力(主に全国に店舗を持つナショナルチェーンへの提案営業力、実施力)
  • CRM(家電のような耐久消費財や、自動車などの場合)

PICKUP[PR]