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変貌する小売り

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協力:アドビ システムズ

「店頭でネット販売」、ユニーが放つ異色の戦略

ネットを武器に「店舗の強み」を再構築

「ネット+物流+IT」という新しい組織の在り方

藤元氏 これまでの話で、角田さんはITを見ていて、なおかつネットマーケティングに関わる新しいシーンを見ている。さらに、物流も見ている。

 他の企業だと、やはりEC担当者はECしか見ていないし、ITは昔ながらの情報システム部門が見ていて、物流はまた違う担当者が見ている。これだと3者の調整だけで、「いや、それはできる、できない」と時間がかかってしまうことが多い。

 IT、物流、ネットの3つを総合的に指揮できる立場というのは、これからのCIO(最高情報責任者)の新しい在り方だと思っている。ご自身は今のポジションをどう考えているのか。

角田氏 私どもは販売会社なので、売上高を伸ばさなければ成長できない。そのため、ECで新しい販売チャンネルの開拓を進めている。だが、利益を出そうとすると、物流がカギを握っている。トータルで考えないといけない。

 物流というと、メーカーから商品を引き取り、店舗に配送する仕事がメインだが、そのトラックを使ってECのお客様にどう商品を届けるかをもっと考えていく必要がある。お客様のところに小口の商品を届ける手間はかかるが、定期的に走っているトラックがあるのだから、そこにECの商品も載せる物流基盤を作ってしまおうと考えた。これなら物流コストをほとんど増やさずに済むので、結果的にお客様へのサービスにもなる。

 情報システムの商品マスターも、最初からECありきで商品登録をするように変えた。新商品のデータを登録するときに、店で販売するのか、ECで扱うのか、両方で扱うのかと。そうすると、商品の位置づけも仕事のやり方も変わる。要するに、売り場だけを見るのではなくて、もっと視野を広げるべきなのだ。

 こういう改革をやっていかないと、どうしても店舗中心の商売から脱しきれない。もうありとあらゆるチャネルを使って、サービス、商品を提供していくのだと意識を変える必要がある。そういう意味で、幸いにして私は、情報システムも物流も、それに今度ネットのビジネスにも携わらせてもらったので、その点では目指すべき方向を進めやすいと思う。

藤元氏 これは新しい組織の在り方でもあると思う。トータルで見ていることが、総合スーパーのビジネスを一気に変える力になるのではないか。角田さんのように物流とITを見つつ、付加価値を作るネットの部分も見つつ、全体の一貫性やバランスをとるポジションは、理想の姿の1つだろう。ネット企業の経営者はまさにそれを実行しているのだと思うが、従来の総合スーパーにそういうポジションがあり、かつ、うまく機能していることがユニーのユニークな改革を推し進めている原動力なのだろうと思う。

サークルKサンクスとのWebサイト統合も

藤元氏 今後、コンビニエンスストアなども含めて、グループ全体に改革を広げていくのか。

角田氏 実は、来年に向けてサークルKサンクスのWebサイトとも統合する考えだ。物販は我々の商品をメインにやり、コンテンツサービス、チケットなどを取り扱うノウハウはサークルKサンクスにしかないので、両者を足し合わせようと話している。

 サークルKサンクスの方でも、この際、我々が持っている商品を売ってみたらどうかと提案している。まずは品ぞろえを増やすための商品交流をやって、次のステップでサイト全体を融合する、という方向で内々に検討している。

藤元氏 サークルKサンクスと総合スーパーがサイト統合すれば、ローソンもファミリーマートもやっていない世界に行ける。

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