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ソーシャルなビールスタンドはいかが?

JOYWOW 阪本啓一氏

ビールスタンド重富のマスター、重富寛氏 ビールスタンド重富のマスター、重富寛氏

 広島市の流川という繁華街にある「ビールスタンド重富」は、一風変わった店だ。テーブルが2つ、椅子はない。当然、立ち飲みだ。メニューは生ビールだけ。つまみなし。営業時間は夕方5時から7時までのわずか2時間。おかわりは1杯まで。つまり、1杯500円だから客単価は最高でも1000円ということになる。

店内は8人(1テーブルに4人)入れば満杯なので、外で待つことになる。「面白い店があるんです。ビール好きの阪本さんならきっと好きになるはずです」と、人に紹介されて行ってみた。並びながら、店の入口の立て看板に書いてある「おかわりは1杯まで、おつまみはありません(持ち込みもご遠慮ください)、ビールののどごしを楽しんでいただくため、立ち飲みです・・・」というただし書きを読み、さぞや面倒くさいオヤジがやっているんだろうなあ、と思っていた。

 だが、店に入って驚いた。マスターの重富さんのソフトな語り口から出てくる話は、新しい時代の「リアルのソーシャル化」ビジネスのあり方なのだ。

うまいビールで点火して、近所のおいしいレストランへ

 重富さんは「うまい生ビールを提供すること」にフォーカスしている。そのためのこだわりは、すごい。

 生ビールの英語「ドラフト・ビア」の「ドラフト」の意味は、樽から「引き出す」動作を指しているのだそうだ。ビールは樽から長いチューブを経てドラフトコックと呼ばれる注ぎ口まで来る。そのチューブの洗浄は毎日行わなければならない。

 電気ではなく、氷水で一晩かけてゆっくりビールを冷やしている。重富さんは旧式の氷式冷蔵庫をビールサーバーとして復刻するアイデアを、エビスビール記念館にあるカタログの写真から学んだという。昭和の製品なので、現在は骨董品屋で見つけるしかない。探して探して、愛媛県は道後温泉近くの骨董品屋でようやく発見した。

 このほかにも、グイッと飲んで、のどごしが一番いい薄さのオリジナルタンブラーなど、重富さんのこだわりは書ききれない(詳細はこちらを参照)。

 「どうしておかわり一杯だけ、営業時間たった2時間、しかもおつまみを出さないんですか?」との質問に、「ほかのお店とケンカしたくないからですよ」と重富さんは笑って答えてくれた。そしてここからが、「リアルのソーシャル化」ビジネスのあり方に気づく言葉なのだ。

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