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肖敏捷の忠言逆耳

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中国、「14億総中流」のカギは劉鶴氏

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

改革・開放40年、新たな段階に入った中国経済

 新年から順調な展開を見せている2018年の世界経済。その中で中国経済は今後どう動くのか。昨年末に「中国 新たな経済大革命」(日本経済新聞出版社)を刊行した肖敏捷・SMBC日興証券中国担当シニアエコノミストに聞いた。

「中国 新たな経済大革命」は豊富なデータを駆使して中国経済の将来像を示した(日本経済新聞出版社) 「中国 新たな経済大革命」は豊富なデータを駆使して中国経済の将来像を示した(日本経済新聞出版社)

 ――昨年は中国経済のキーワードとして「有言実行」を挙げました。その結果はどうだったでしょうか。

 「想定以上に実行したとみています。昨年10月の19大(中国共産党第19回全国代表大会)前後から雰囲気が変わり、中央から地方への指示、地方における独自の取り組みが進みました。一部でやり過ぎたケースもありました。環境問題ではガスの供給能力を無視して石炭生産を抑制したようです」

 ――昨秋の共産党大会で権力基盤を一層固めた習近平政権は、今年どんな経済政策を打ち出してくるでしょうか。

 「2期目に入った習近平総書記は、権力の頂点を上り詰めたといえます。今後は政治・経済や社会を巻き込む大規模な権力闘争はないと予想します。なぜならもう争うべきライバルが党内に見当たらないからです。これからの5年間は、自ら打ち出したキーワードである「新時代」の経済政策にエネルギーを集中してくるでしょう。それが『14億総中流』への転換です。習近平政権は2020年の達成を目指しています。習総書記が今後立ち向かうのは、党内ではなく民生の向上なのです」

 「今年は鄧小平氏が改革・開放政策をスタートさせて40周年の節目です。文化大革命という無秩序な政治闘争に明け暮れ、『8億総貧乏』状態だった中国を世界第2位の経済大国へ変貌させたのは鄧小平氏の路線です。しかし経済至上主義がもたらしたさまざまな弊害も表面化してきていました」

 「習近平政権はこれまでの延長線上での改革でなく新しい経済大革命を目指すと予測します。鄧小平路線は『早く大きく』『サブライ型』が特質でした。習政権では『規模の質』『需要に焦点』へと変わるでしょう」

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