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海外支援と地方創生が未来のサラヤにつながる

サラヤ社長・更家悠介氏に聞く(後編)

 例えば、エジプトやチュニジアでホホバの新事業が進行中です。ホホバの種子から抽出するホホバオイルは、保湿成分として広く利用されているものですが、ホホバオイルと現地のハーバルエッセンスを合わせて、より良い化粧品をつくります。日本の農業で最近注目されている「6次産業化」と同じ考えで、ホホバの農家といっしょになって商品化を目指すものです。ホホバの品種も、大阪大学とエジプトのサダトシティ大学との共同研究により、遺伝子解析技術を活用して収量が高いものを選抜しました。

 単に化粧品を販売してもうけるのではなく、ホホバの木を植えることによってアフリカの乾燥地域の緑化にもつなげます。農家にも、化粧品製造者にも、消費者にも、地域の環境にも、サステナブルであるプロジェクトというわけです。もちろん両大学とじっくりフィージビリティスタディを進めてきた上でのチャレンジです。この春にはサラヤブランドの新しい化粧品がお目見えします。

地方創生のキーワードは食のおいしさと安全

-- 日本にも多くの課題があります。例えば、地方創生については、どのように取り組みますか。

 日本各地の農産物の開発支援でしょうか。地方にはおいしいものがたくさんありますが、農業の担い手がどんどん減り、また生産を続けていてもうまく商品化できなかったりしているのが現状です。国としても、高品質でおいしい日本の農産物の輸出を1兆円にするという目標を掲げていますが、いくつか問題はまだ残っているようです。

 例えば、2015年の食をテーマにしたミラノ万博では、国際的な食品安全の基準に合致していないという理由で、日本のカツオ節などの食品が出展できないという事態に陥りました。食品輸出の増加を見込むならば、「危険度分析による衛生管理(HACCP)」に対応した工場での生産証明などが必要で、そうした対応はサラヤが得意するところです。2010年から農林水産省からの補助事業として、食品企業の衛生管理担当者向けのHACCP研修を行っています。

 海外輸出だけではありません。日本国内においても、地方の食べ物がおいしく安全に都市へ流通するようになれば、その地方での食品産業をサステナブルなものにします。サラヤは、冷凍技術をもってこの分野に臨みたい。冷凍・保存・解凍の技術がよいと、生と変わりなくおいしく食べられます。また、サバなどに寄生するアニサキスなどは冷凍により死滅することから安全も確保されます。

 そして、手洗いやうがいと同様に、「このように冷凍・保存・解凍しましょう」という普及活動もいっしょに進めるのがサラヤ流です。こうした活動が、地方創生にもきっとつながると信じ、これからも挑戦を続けます。

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