日本経済新聞 関連サイト

日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

記事一覧

SDGsの実現に向けてサラヤがやってきたこと

サラヤ社長・更家悠介氏に聞く(前編)

 では、どうしたのかというと、ちょうど番組放映があったころ、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)という国際組織が結成されました。関係国や地域のNGO、生産者、企業などが集まり、環境に負荷をかけない形で安定的にアブラヤシを生産、消費していく道を模索するものです。さっそく参加し、ゾウの生息環境の保全とアブラヤシの持続可能な生産を具体化する「緑の回廊計画」を提案しました。

 時期を同じくして、2006年にボルネオ保全トラスト(BCT)がマレーシア・サバ州政府によって認可されたことから、ゾウなどの野生動物の生息域保全のためのトラスト運動が盛り上がります。サラヤではこの活動を広報するために、2007年からヤシノミ洗剤の出荷売り上げの1%をトラスト活動の支援にあてることにしました。コーズ・リレーテッド・マーケティングと呼ばれるものですが、その効果があってか、緑の回廊の一部の用地取得に貢献できました。また、この取り組みの開始以来、製品の出荷売り上げは一度も前年を割っていません。2008年にはボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)が設立され、現在11社・団体が名を連ねています。

 また、2008年のRSPOでは、持続可能なパーム油の認証制度を正式にスタートさせました。2012年には新しい洗剤ブランド「ハッピーエレファント」を上市したのをきっかけに、サラヤの製品に使うすべてのパーム油とパーム核油をRSPO認証に切り替えています。これは、サラヤだけの取り組みではなく、今ではRSPOに42社の日本企業が参加して、パーム油の問題に取り組むようになりました。

 当初、テレビ番組にはサラヤだけが出演し、問題の矢面にさらされましたが、単なる一企業のマーケティング活動を超え、業界を挙げて持続可能な社会に向けての活動へと進化させています。EU総会でも、2020年までにすべてのパーム油をREPO認証とするとの目標を打ち出しており、こうした動きは世界的なうねりとなって、もう後戻りはできない状況です。ちなみに件のテレビ番組も、サラヤをはじめとするボルネオ島の緑の回廊計画などへの取り組みについてあらためて取材して、再度放映してくれました。今度は、視聴者の理解をしっかりと得ることができました。

PICKUP[PR]