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日経ソーシャルビジネスコンテスト関連特集

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SDGsの実現に向けてサラヤがやってきたこと

サラヤ社長・更家悠介氏に聞く(前編)

 日本経済新聞社は2013~2016年、社会貢献活動の社会的地位を高めるために、既存のNPO活動やソーシャルビジネスを表彰する「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を実施してきた。2017年度は、ソーシャルビジネスの裾野拡大を目的としたビジネスアイデアコンテストの「日経ソーシャルビジネスコンテスト」へと進化させ、現在審査中だ。審査員の1人で、ソーシャルビジネス取り組みの草分け的存在として知られるサラヤの更家悠介社長に、取り組みの経緯と成功の秘けつをうかがった。本日と明日、2回にわたってお伝えする。

世の中の困り事を解決して企業が成長発展

更家悠介(さらや・ゆうすけ)氏<br>

サラヤ株式会社代表取締役社長<br>

1951年生まれ。74年、大阪大学工学部卒業。75年、カリフォルニア大学バークレー校工学部衛生工学科修士課程修了。76年、サラヤ入社、取締役工場長に就任。80年、専務取締役、98年から現職。86年、大阪青年会議所会頭としてセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの設立にかかわり、89年、日本青年会議所(JC)会頭を務める。14年、渋沢栄一賞受賞。環境・生物多様性問題への造詣が深く、NPO法人ゼリ・ジャパン理事長、NPO法人エコデザインネットワーク副理事長、ボルネオ保全トラスト(BCT)理事など、公職多数 更家悠介(さらや・ゆうすけ)氏
サラヤ株式会社代表取締役社長
1951年生まれ。74年、大阪大学工学部卒業。75年、カリフォルニア大学バークレー校工学部衛生工学科修士課程修了。76年、サラヤ入社、取締役工場長に就任。80年、専務取締役、98年から現職。86年、大阪青年会議所会頭としてセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの設立にかかわり、89年、日本青年会議所(JC)会頭を務める。14年、渋沢栄一賞受賞。環境・生物多様性問題への造詣が深く、NPO法人ゼリ・ジャパン理事長、NPO法人エコデザインネットワーク副理事長、ボルネオ保全トラスト(BCT)理事など、公職多数

-- 「ヤシノミ洗剤」でエコ意識の高い主婦たちに人気のサラヤ。今でこそ、日本で環境に配慮する企業のトップランナーとして知られますが、実は創業当初から、常に世の中の困り事を解決する企業として発展・成長してきました。

 いやいや、そんなかっこいいものではないんですよ。先代である私の父が士官学校の予備役に行っていたとき、終戦を迎えました。ある意味、不完全燃焼の気持ちがあったようですし、戦前は今の近畿大学で化学を専攻していたことから、知識もあった。そこで、健康薬をつくって儲けようと。ところが、当時は衛生環境が悪くて赤痢が蔓延するなど、深刻な問題がはびこっていたのです。健康薬を売り込みに行くと、「健康薬よりも、せっけんつくって売ってくれ」ということになって......。

 それでも、そうした世の中の困り事に直面すると、どう解決すべきかということを考えたんでしょうね。単にせっけんという商品を作れば買ってもらえるという大手企業と違います。学校や職場といった集団に対して、「手洗い習慣」という、いわばソフトを含めて提案していったのです。すると、次々と引き合いがきて、何とか会社としての方向性が定まりました。

 高温多湿の日本では、夏場の手洗い習慣により食中毒などの予防にはかなり貢献できたと思います。そんな好調だったせっけんも、冬場になると寒いために手洗いも滞りがちになります。せっけんの売り上げも下降気味になるのが悩みでした。

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