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空前の積立投資ブームに乗り、持たざるリスク回避

経済アナリスト 田嶋智太郎氏

 ここで肝心なのは、そもそもの「長期・積立・分散投資」というスタンスに立ち返った場合に、一体どのような選択が望ましいのかということになろう。ここで、あえて「VT」か「VTI」かの答えを個人的に出すことは控えたいと思うが、いったん立ち止まってよく考えたいポイントの一例ではあると考える。

 もちろん、毎月の積立額を分散して複数のファンドに積立投資するというのも一法であるし、最初から複数のベンチマークを目標に運用するタイプのファンドを選択するというのも一法であろう。また「価格が高いときには少なく、安いときには多く買う」という長期・積立の特性を生かし、あえて市場平均を上回る実績を目指す「アクティブ型」のファンドを選択するという手もある。今のところ「つみたてNISA」の対象となっているアクティブ型のファンドは15本に限られるが、すでに投資家の間で人気となっているものも数ある。そのうえで、金融庁のお眼鏡にも適ったファンドでもあるというのであるから、相応に魅力があるということにもなろう。

 例えば、セゾン投信が設定・運用する『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』は、世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資(株式と債券の投資比率は50:50)するもので、アクティブ型の割には信託報酬が安めで長期的に安定した実績が期待できる。

 同ファンドは、昨年1月に結果発表となった「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」において第5位の栄冠に輝き、投資家からの人気と評価も一段と上がっているものの1つである。同イベントで15位以内にランキングしたファンドは、その大半が「つみたてNISA」の対象としてラインナップされている。ちなみに、第3位は前出の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」であった。

 なお、1月13日には「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2017」の結果発表が予定されている。巷(ちまた)では「投資信託についてブログに記事を書き、情報を発信する投信ブロガーが選んだファンドの方が、実際に売れている(純資産残高が大きい)ファンドよりも好実績となる期待が大きい」との声も聞かれるぐらいであり、同イベントにおける第三者的な評価・結果を今後の投信選びの参考とするのも一法と言えるだろう。

田嶋 智太郎(たじま ともたろう)

1964年生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後は数年間、名古屋文化短期大学にて「経営学概論」「生活情報論」の講座を受け持つ。金融・経済全般から企業経営、資産運用まで幅広く分析・研究。新聞、雑誌、ウェブに多数連載を持つほか、講演会、セミナー、研修等の講師や、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中。主な著書に「財産見直しマニュアル」(ぱる出版)、「外貨でトクする本」(ダイヤモンド社)、「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)、「はじめてのFX『儲け』のコツ」(アルケミックス)、「日本経済沈没!今から資産を守る35の方法」(西東社)、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」(自由国民社)など。

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