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健康診断という「病」

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残業や休日出勤で過労死しない方法とは?

亀田高志 氏

 では、どのように考えるかというと、図のように過重労働によって、通常の加齢現象や生活習慣病の影響のレベルを超えて、急激に動脈硬化が進み動脈が詰まる現象(血栓や塞栓と言います)が起きたという見方に立ちます。

 例えば、メタボの有無やタバコを吸うかによって、動脈硬化の程度は様々です。普段から食べ過ぎと運動不足が著しいために生活習慣病になって、動脈硬化が進んでいる人もいます。反対によく節制していて、生理的な年齢が暦年齢よりも若い人もいるでしょう。その中で、もともと生活習慣病のあるような人に過重労働が加わり、動脈硬化が急速に進行し、過労死に至ったという解釈をするわけです。

 過重労働によってこうしたリスクが高まることは、たくさんの人たちを一定期間観察して、生活習慣や時間外労働と、脳卒中や心臓発作の発生する頻度を比較検討する「疫学研究」で明らかにされています。

 業務の過重性を確認する専門医や研究者による検討の結果が平成13年にまとめられていますが、それによると、様々な医学研究を基に次のような根拠を確認し、採用したことが分かります。

月間80時間超から100時に相当する残業時間があると、
睡眠時間は6時間未満ないし5時間未満になり、
高血圧の傾向も助長され(2倍程度)、
その結果、脳卒中や心臓発作の頻度が増える(2倍から3倍程度)


 つまり、過重な労働時間による睡眠時間の減少により、血圧上昇と心身への直接的なストレスが加わる。そのダブルパンチで自然経過を超えるスピードで心臓発作や脳卒中が起きやすくなる。これは病死や自然死ではなく、異常な過労死だと解釈するのです。

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