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REG/SUM キーパーソンに聞く

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投信運用ビジネスの規制緩和は受益者にもプラス

ロボット投信株式会社の野口哲社長に聞く

 日本経済新聞社は12月20~21日、「レグテック(規制とテクノロジーの融合)」をテーマにしたグローバルイベント「REG/SUM(レグサム)」(=RegTech Summit)を開催する。ロボット投信株式会社(東京・中央区)は投信管理業務の自動化や人工知能(AI)を使った市況情報応答サービスなど、先端テクノロジーを活用した資産運用関連ビジネスを積極的に展開するが、同社の野口哲社長は投信運用ビジネスには参入障壁があると指摘。特に投信基準価額の二重の算出作業がコスト高を招く一因となっており、規制を取り払うことがベンチャー参入をたやすくすると同時に、運用コスト削減を通じて結局は受益者(最終投資家)に資すると訴える。

野口哲(のぐち・さとし)氏。2007年、SBI Holdings, Inc.へ入社。2011年からPictet Asset Management Ltd.。日本における貯蓄から投資へ課題は、最終消費(個人投資家)・販売会社(銀行証券など)・メーカー(運用会社)間のUI/UX(ユーザー・インターフェイス/ユーザー・エクスペリエンス)だと感じ、金融コミュニケーションの最適化を目指すべく2016年5月、ロボット投信株式会社を創業。中央大学経済学部卒。

野口哲(のぐち・さとし)氏。2007年、SBI Holdings, Inc.へ入社。2011年からPictet Asset Management Ltd.。日本における貯蓄から投資へ課題は、最終消費(個人投資家)・販売会社(銀行証券など)・メーカー(運用会社)間のUI/UX(ユーザー・インターフェイス/ユーザー・エクスペリエンス)だと感じ、金融コミュニケーションの最適化を目指すべく2016年5月、ロボット投信株式会社を創業。中央大学経済学部卒。

「縮む日本」でも投信は有望、業務の自動化に活路

――ロボット投信は投信業界では若い「ベンチャー」にはいりますね。

 私が日本で金融ビジネスを考えたときに、まず証券ブローカレッジ(取次・仲介)業務と預貸業務は対象から外れる。国内総生産(GDP)が伸び悩み、人口が縮む日本では日経平均株価が2倍、3倍になるような将来像は描きにくく、ブローカレッジビジネスへの新規参入は難しいと考えた。金利もほぼゼロの環境下だから利ざやを得るようなビジネスも展開できない。

 一方、海外に目を転じれば高い経済成長を保つ地域が新興国を中心に広がっている。だとすれば、日本の中では投資機会を見出しにくいとしても、日本の投資信託という「箱」を経由して高成長国へ資金を投じ、日本の投資家にリターンをもたらすことができる。投信は最低投資金額の決まった株式と異なり100円からでも投資が可能だし、積み立てという仕組みも使える。

――実際にはどのようなビジネスを展開されていますか?

 中核は「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」事業。RPAを使って業務の多くを自動化できる。12月にはみずほ証券と組んで、弊社が提供するAIシステムを用い、コールセンターでの投資信託および市況概況情報の電話自動応答サービスを始めた。金融商品取引法にも則して対応できるようになっており、単に画面マクロで負荷が減るというレベルではなく、業務を根本から自動化する。

 ほかには、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と、米アマゾン・ドット・コムが提供するクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応する情報配信サービス「投資情報」スキルの提供を始めた。ゆくゆくはRPAを使って無人に近い投信運用事業を展開することを考えている

コストは受益者が負担、東京都国際金融都市構想でも指摘

――その前提でレグテック(規制とテクノロジーの融合)と絡めて考えると、業務参入に規制が存在するということですね?

 具体的には投資信託における基準価額算出業務の要件緩和などだ。通常、基準価額は委託側(運用会社)と受託側(信託銀行)とで別々に算出し照合するという二重計算を採用している。しかし理屈から言えば、投資信託が保有する有価証券を実際に管理しているのは受託会社たる信託銀なので、有価証券を保有していない運用会社が基準価額を算出する必要性は感じない。

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