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石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

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平成の「戦国武将」が日本経済を元気にする(前編)

レオス・キャピタルワークスのシニア・アナリスト、栗岡大介氏に聞く

予防医学者 石川善樹氏

 予防医学者の石川善樹氏がさまざまな分野のエキスパートと対談しながら、脳とうまく付き合う方法を探る連載シリーズ。第22回のお相手は、2度目の登場となるレオス・キャピタルワークスのシニア・アナリスト、栗岡大介氏です。前回(「もうける」とは次の世代を光り輝かせること)は、伸びる会社をどう見極めるのか、そもそも「もうける」とはどういうことか、などユニークな投資哲学を語っていただきました。今回は全国各地で勃興する成長企業の戦いを「応仁の乱」になぞらえ、戦国期並みの大変革を迎える日本経済の行方を中心に熱い議論が戦わされました。その内容を2回に分けてお伝えします。前編は栗岡氏が各地の「戦国武将」たちとの出会いから感じる、時代の変化について議論しました。

「馬力」の時代から「場力」の時代へ

石川 善樹氏(いしかわ よしき)<br>

1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『ノーリバウンドダイエット』(法研)、『うかつに仕事をはじめるな』『疲れない脳をつくる生活習慣』(ともにプレジデント)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。 石川 善樹氏(いしかわ よしき)
1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『ノーリバウンドダイエット』(法研)、『うかつに仕事をはじめるな』『疲れない脳をつくる生活習慣』(ともにプレジデント)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。

石川 前回、栗岡さんのお話をうかがって、僕の中のお金に対する概念がガラッと変わりました。栗岡さんは日本の成長企業に投資する「ひふみ投信」の運用部メンバーとして数多くの企業経営者に会われていますが、それだけでなく、いろんな分野のとんがった人を訪ね歩いていらっしゃる。今回も「目からウロコ」のお話をたくさんうかがえればと思っています。

栗岡 私の方こそ、石川さんの斬新な発想にいつも刺激を受けています。よろしくお願いします。

石川 今日まずお聞きしたいのは、いま日本人は何にお金を使っているのか、ということです。先日、東京モーターショーのトークイベントに参加する機会があり、「モビリティーの未来について、思うところを述べよ」というお題を頂戴したんですね。

栗岡 試験問題ですか(笑)。

石川 驚いたことに、参加した全ての自動車メーカーの方が同じことを言っていました。すなわち「走るよろこび」です。すごく違和感がありましたね。それはメーカーの欲望の押し付けじゃないかと。たとえば、若い人は車も買わないし、家も買わない。食事は安く済ませるし、服でさえシェアしますよね。

栗岡 モビリティーとコミュニティーが一緒になったものが、いま世界中で売れています。キャンピングカーです。キャンピングカーは日本でも年々保有台数が伸びています。また、米国では今後消費の主役になると言われているミレニアルズ世代の間でワゴン車をキャンピングカー使用に改造するのが流行しています。これは「走るよろこび」より、「出会うよろこび」「分かち合うよろこび」を消費者が求めていることの表れではないでしょうか。

石川 確かにそうですね。

栗岡 時代が少しずつ変化しているように感じています。20世紀までは「馬力(ばりき)」の時代で、人々は馬から汽車、自動車、飛行機へと移動手段を発達させてきました。しかし21世紀に入るとインターネットが発達し、移動しなくても情報が手に入るようになりました。では人々は移動しなくなったかというと、そうではありません。人々はリアルな確からしさを求めて、場所に重きを置くようになりました。つまり、「場力(ばりき)」の時代になってきたのです。

石川 なるほどー!

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