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古川修の次世代自動車技術展望

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最終ゴールは「交通事故ゼロ化」

芝浦工業大学 特任教授 古川 修 氏

交通事故ゼロ化へ向けた技術課題

 交通事故ゼロ化という究極の安全技術を最終ゴールとした場合の、技術課題を考察してみよう。交通事故に至る要因は外的要因である道路環境側と、内的要因であるドライバー側に分けられる。

(1)外的要因:道路環境側の交通事故を誘発する潜在リスクを持つハザードの存在
 ・障害物。他車、歩行者、ガードレール・電柱などの道路建造物、崖、溝など。
 ・カーブ形状
 ・走行レーン
 ・路面状況
 ・道路勾配
 ・交通標識・交通信号

(2)内的要因:事故へ至るリスクとなるドライバー側の認知・判断・操作の誤り
 ・ハザードの見落とし
 ・他車両・歩行者・交通信号の将来走行予測の誤り
 ・ステアリング誤操作
 ・ブレーキペダル誤操作
 ・通過走行が可能かどうかの予測判断ミスによる速度超過
 ・覚醒度低下

 交通事故ゼロ化を達成するには、これらのリスクに対してバリア(防護柵)を何重にも設けることが必要であり、それがADASの各種のシステムに相当する。現在実用化されているADASのシステムでは、すべての交通事故のリスクに対してのバリアとはなっていないので、交通事故ゼロ化が達成できていないわけだ。では、どのようなシステム機能が必要かを考察しよう。

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