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パクリ商標

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腕時計「ミュラー」に勝訴した「三浦」

知財コミュニケーション研究所代表、弁理士 新井 信昭氏

価格に大差、客層の違いを指摘

 実は、もう一つビックリの理由がありました。それは、本家『フランク ミュラー』の時計は、その多くが100万円を超える高級腕時計だが、『フランク三浦』の時計は4000円から6000円くらいの時計だから、お客さんの種類がまったく違う。だから、『フランク三浦』の時計と『フランク ミュラー』の時計とを間違えるとは考えられない、という理由です。

百貨店や高級ブランド街に出店するフランク・ミュラー(写真上)に対し、フランク三浦はドン・キホーテなどで販売する 百貨店や高級ブランド街に出店するフランク・ミュラー(写真上)に対し、フランク三浦はドン・キホーテなどで販売する

 東京・銀座の「フランク・ミュラー ウォッチランド東京」でステキなショーケースの中に並んでいるのが『フランク ミュラー』で、量販店の商品の谷間から見つけるのが『フランク三浦』。お客さんの種類が全然違うでしょ、みたいな感じでしょうか?

 ところで、読者の皆様は、私が『フランク三浦』というパロディ商標をどう思うのか、と考えておられるのではないでしょうか? 感情論はともかく、私は登録商標が維持されている限り、「商標法的」には、これまで通り使用していいと思っています。これを否定してしまうと、何のための登録かわからなくなってしまうからです。

 ただし、このことは他の法律に照らしてもOKになるとは限りません。他の法律とは、たとえば不正競争防止法です。 

 不正競争防止法とは、商標法の親戚のような法律で、商標に絡む事件のとき「その商標の使い方、フェアではありません!」というように商標法と一緒に取り上げられる法律です。

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