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経営層のための「稼ぐ力」を高める不動産戦略

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サテライトオフィスは働き方を変えるか?(後編)

究極の働き方改革「ライフワーキング」を実現

JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

サテライトオフィスと「ライフワーキング」

 前回ご紹介したJLLの働き方に関する提案「Future of Work 働き方の未来へ」の第1章「ワークプレイスがもたらすヒューマン・エクスペリエンス」では、人がオフィス等のワークプレイスで「Fulfillment:満たされた幸せな気持ち」、「Engagement:会社との結びつきや愛着」、「Empowerment:働くスペースやツールの選択の自由が与えられていること」の3つのヒューマン・エクスペリエンスを得られる環境があると、業務の生産性が飛躍的に向上するとしています。

 人が働く場所は単なる不動産ではなく、個人と企業が思い描くライフワーキングを実現させる環境であるべきなのです。

ヒューマン・エクスペリエンスがもたらすものとは? ヒューマン・エクスペリエンスがもたらすものとは?

 今回のセールスフォースの事例は、生産性が向上する「働き方改革」を実現するための不動産戦略として優れ、大変参考になるケースです。

■ワークプレイス戦略が企業文化を深く投影し、企業目的の実践と明確に連動している
■好ましいヒューマン・エクスペリエンスが体験できることをワークプレイス環境がサポートしている
■個人と企業が思い描く「ライフワーキング」の実現を目指すと場所になっている

 サテライトオフィスは「働き方改革」推進の有効な手段ですが、それを提供さえすれば企業としての働き方が変わり、生産性が向上するというものではありません。通勤や移動時間は削減できても、そのオフィスで疲れ切ってしまうほど長時間働いてしまうような環境やムードであると意味がないのです。また、サテライトオフィスを利用する人の部分的な働き方が変わっても、企業全体の「働き方改革」は進捗しないのです。

 サテライトオフィスという環境を使って、明確な目的を持った「働き方改革」を実践する場所とする戦略があれば、毎日メインオフィスに通うことが困難な人にとっても、ひとつの選択肢として、そこで働きたいと思えるオフィス環境になるのです。そのためには経営層が、投下資本の決定も含め、「働き方改革」と「ライフワーキング」の実現サポートを経営戦略として行うことが必要なのです。

 このことは、サテライトオフィスに限らず、メインオフィスでも、コラボレーションオフィスでも、在宅勤務でも同じであると言えます。

佐藤 俊朗(さとう としろう)

JLL 執行役員 コーポレート営業本部長
1988年、米系大手不動産サービス会社に入社。約10年間の米国勤務を経て、日本法人で企業不動産(CRE)ならびに海外不動産サービスを事業責任者として牽引したのち、2012年、JLL入社。四半世紀以上に渡り、日本企業及び外資系企業向けに、グローバルかつ総合的に不動産サービスを提供。不動産コンサルティングから取引管理、ポートフォリオ戦略、施設管理、海外不動産投資実務まで、広範な分野で専門的な知識と経験を持つ。明治大学ビジネススクールの兼任講師も務め、「グローバルCRE戦略論」等の不動産関連講義を担当している。取得資格:FRICS MCR 米国不動産ライセンス(NY/NJ/CA州) 宅建

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