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サテライトオフィスは働き方を変えるか?(後編)

究極の働き方改革「ライフワーキング」を実現

JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

サテライトオフィスがもたらす働き方の変化

――サテライトオフィスが働き方の変化のきっかけとなるのはなぜですか?

 働き方を変えるということには誰にとってもすごくパワーがいることです。人がどういう時にそれをより自然に行うかというと、通常は転職をしたとか、部門配属が変わったとか、役職がついたという外的環境の変化がある時ですよね。自分の中で働き方を変える理由ができるということだと思います。白浜オフィスに来たという外的環境の変化が、その変革のボタンを押しやすくしてくれるということです。

吉野 隆生氏(よしの たかお)

株式会社セールスフォース・ドットコム インサイドセールス本部 営業戦略室 ディレクター/白浜オフィス長

外資系PCメーカーのインサイドセールマネージャーを経て、2013年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。2015年8月から和歌山県白浜町へ家族とともに移住し、白浜オフィスと東京オフィスの2拠点のインサイドセールスチームのマネジメントに従事。 吉野 隆生氏(よしの たかお) 株式会社セールスフォース・ドットコム インサイドセールス本部 営業戦略室 ディレクター/白浜オフィス長 外資系PCメーカーのインサイドセールマネージャーを経て、2013年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。2015年8月から和歌山県白浜町へ家族とともに移住し、白浜オフィスと東京オフィスの2拠点のインサイドセールスチームのマネジメントに従事。

 しかし、ただ単にメインオフィスから離れた場所や、地方都市で仕事をすることだけでは価値がないのです。このサテライトオフィスで「何のためにここで働くのか?」という働く意義から考えるのです。そこで白浜オフィスに来たこの機会に働き方をガラッと変えようと決意できるのだと思います。この場所で働く価値を見出して生産性を上げていくということに、本当の「働き方改革」の答えがあるのではないかと考えています。

――社員の変化をサポートするのもOhana文化ということでしょうか?

 はい、その通りです。白浜オフィスでサテライトオフィスとしての1-1-1モデルを実践すると言いましたが、その目的はOhana文化を体現させることにもあります。仕事でもプライベートでも、社員同士が家族のように協力し合い、互いを気遣い、一緒に楽しむことができる環境をメンバー全員でつくっています。

 また、地域コミュニティーを同様のOhanaの対象とし、社会貢献という観点で地域の抱えている課題を直視して、地域の困っている問題を一緒に解決することに協力しています。社会と接点を持つことで社員の生き甲斐がすごく高まるのです。そういった気運が仕事のやりがいに変換されて、結果的に生産性が上がっていくということが、Salesforceの働き方の考えとして明確に位置づけられています。

サテライトオフィスがもたらすワークライフバランス

――働き方の改革の最大の成果とは何ですか?

 社員の業務の生産性が向上することも成果ですが、それを持続させる働き方に変化が起き、そのことによりワークもライフも充実することが最大の成果です。

 残業は東京にいる時と比べると若干減る傾向にはあります。しかし、大事なのは時短を強く意識するのではなく、限られた時間資源の中でワークもライフも充実させようという意識です。すると働く時間が朝方にシフトするようになります。フレッシュな頭の状態で仕事を始めて、生産性高く仕事をし、早めに帰って仕事以外のやりたいことをする。こういう風にワークとライフの位置づけに変化が現れます。この変化は一度身につくと東京に戻っても継続するようです。

――ワークとライフが充実する理由は何でしょう?

 仕事以外の目的をしっかりと明示させることが功を奏しています。生産性を上げて業務に充てる時間が短くなった分、自己研鑽のスキルアップの時間に充てるとか、目的をしっかりと明確にすることです。

 もう一つが、プライベートな部分ですが、FUN(楽しみ)の要素です。皆で食事や温泉に行ったり、バトミントン大会をやったりという楽しみが目の前にあるのです。会社の後に楽しみな飲み会や会いたい人との約束があると、皆早く仕事を終わらせられるじゃないですか。あの感覚です。オフィス全体でムードを醸成することで、無理なく変化が起きるようになっているのだと思います。これもSalesforceのOhana文化です。

――ワークライフバランスについて、あらためてどうお考えですか?

 私は今では、ライフとワークをはっきりと分ける必要はないのではないかと思っています。私自身もこの白浜オフィスで働きながら、多くのメンバーと語り合い、時間を共にし、ワークとライフは対比するものではないという感覚になってきました。どちらかというとライフという土台の上に仕事を乗っけていくとうイメージに近いです。サテライトオフィスでそれができる環境をつくることができて、ここに来る前と同じ業務をより高い生産性で実施しながらも、社員がかなり元気になります。

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