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サテライトオフィスは働き方を変えるか?(前編)

「なぜここで働くか」明確な意志が生産性高める

JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

 「働き方改革」は今や日本中のトピックになっていますが、いまだ時短や制度改革の議論が中心で、企業価値や働き手の目線に立った具体的な推進例の出現を待っている状況です。そんな中、サテライトオフィスが注目を集めています。オフィス環境の変化がもたらす「働き方の変革」について、導入企業であるセールスフォース・ドットコム社の最新事例をインタビュー形式でご紹介しながら、2回に渡って、「働き方は本当に変えられるのか?」というテーマを深堀りします。前編はサテライトオフィスのあり方と、その環境がもたらす生産性の向上の仕組みに焦点をあてます。

 サテライトオフィスとは、企業本社から離れた場所に設置される比較的小規模なオフィスで、本社を中心に、惑星を取り囲む衛星(サテライト)のように存在するという意味のオフィスです。混雑する長時間の通勤が必要となる都心部を避け、より社員の生活に近い、または通いやすい立地に置かれます。テレワークと呼ばれるインターネットなどのIT設備を駆使して行う勤務を通じて、メインのオフィスで行う業務と同等の仕事ができる環境を備えています。日本でも「働き方改革」の推進とともに、通勤を考慮して都心郊外や衛星都市に立地するもの、またはビジネス上の機動性を考慮して都心部内に分散させるものが増えてきました。

真っ青な空と海が美しい白浜の海岸。ここにセールスフォース・ドットコムのオフィスがある 真っ青な空と海が美しい白浜の海岸。ここにセールスフォース・ドットコムのオフィスがある

 今回サテライトオフィスをご紹介するセールスフォース・ドットコム(以下Salesforce)は、米国カリフォルニア州に本社を置き、クラウドベースの CRM/顧客管理を世界15万社以上に提供するCRMソリューション企業です。日本本社は東京・丸の内のJPタワーにあり、大阪、名古屋でも中心部の最新ビル内にオフィスを置いています。

 Salesforceのサテライトオフィスは、都心郊外ではなく、温泉や海が有名なリゾート地である和歌山県南部の白浜町にあります。そこでのユニークな働き方改革の推進や生産性の向上が話題を集めています。同社作成の白浜オフィスの働き方改革に関するYoutube動画でよりイメージが沸きます。

 Salesforce白浜オフィス長の吉野隆生氏は「時短だけでは働き方は変わらない」と言います。スタート時からこのサテライトオフィスの運営管理をしている吉野氏に「働き方は本当に変えられるのか?」というテーマでお話をうかがいました。

白浜サテライトオフィスについて

吉野 隆生氏(よしの たかお)

株式会社セールスフォース・ドットコム インサイドセールス本部 営業戦略室 ディレクター/白浜オフィス長

外資系PCメーカーのインサイドセールマネージャーを経て、2013年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。2015年8月から和歌山県白浜町へ家族とともに移住し、白浜オフィスと東京オフィスの2拠点のインサイドセールスチームのマネジメントに従事。 吉野 隆生氏(よしの たかお) 株式会社セールスフォース・ドットコム インサイドセールス本部 営業戦略室 ディレクター/白浜オフィス長 外資系PCメーカーのインサイドセールマネージャーを経て、2013年に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。2015年8月から和歌山県白浜町へ家族とともに移住し、白浜オフィスと東京オフィスの2拠点のインサイドセールスチームのマネジメントに従事。

――サテライトオフィスを導入するに至った経緯をお聞かせください。

 サテライトオフィスプロジェクトの開始は2015年の1月です。Salesforceでは業務基盤がすべてクラウドで構成されているため、社員もテレワークのヘビーユーザーであり、在宅勤務、テレワークなどのリモートワークが可能な環境自体はもともと社内にありました。総務省が推進する「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に参画する形で白浜オフィスを2015年10月に開所し、2年経ったところです。

――白浜町を選んだ決め手は何ですか?

 東京本社から陸路で容易にアクセスができる関東郊外よりも、むしろ離れた複数の候補地の中から選びました。白浜町の決め手は羽田から60分、空港から車で5分という東京からのアクセスです。それ以外の候補地は飛行機で1時間半、その後空港から1時間というところが多かったですね。

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