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FIN/SUM WEEK 2017 レビュー

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フィンテックは日本の4つの難問にどう答えるか?

FIN/SUM WEEK 2017 クロスボーダートークより

 グローバルイベント「FIN/SUM WEEK 2017」最終日の9月22日、東京・大手町のフィナンシャルシティサウスタワーにある東京金融ビレッジで、討論会「フィンテック・クロスボーダートーク」が開かれた。フィンテックは金融業界と情報技術(IT)業界だけのものではなく、すべての産業に新しいイノベーションを巻き起こし、社会を変革する可能性を秘める。その潜在力を確かめるため、日本が抱える4つの難問について、フィンテックを切り口に多彩な論客が議論した。司会は山田康昭(FIN/SUM WEEK 2017事務局長、日本経済新聞社編集企画センター ゼネラル・プロデューサー、写真はいずれも左端)が務めた。

あらゆる産業のイノベーションへ活発な議論を

●主催者挨拶
平田喜裕(日本経済新聞社常務取締役デジタル事業統括)

 今回開催の「FIN/SUM WEEK 2017」で2つのことを感じた。1つはフィンテックの深まり。仮想通貨「Jコイン」創設を決めたみずフィナンシャルグループの佐藤康博社長が「仮想通貨やブロックチェーンはトライアル(試み)ではなく失敗してもやっていくという段階に来ている」と語った。2つめは、フィンテックの広がり。金融・IT業界にとどまらず、あらゆる産業にイノベーションを起こすのは言うまでもない。今回のFIN/SUMのスローガンに「フィンテック、金融を超えろ!」を掲げたが、日経は今後もフィンテックを後押ししていく。

 本日のクロスボーダートークでは「農業と地方創生」「人手不足・宅配クライシス」「デジタルデバイド・格差」「財政・保険・税収」という4つのテーマを設定しており、活発な議論が展開されると期待している。日経はレギュレーション(規制)とデジタル技術を融合させ、規制対応のコストをどう低減させていくかをテーマにした「レグテックサミット(レグサム)」を12月に開催する予定であり、今日の議論をレグサムにつなげていきたい。

デジタル時代に生き残るには自分の弱さを認識することが必要

●キーノートスピーチ
黒川清氏(政策研究大学院大学名誉教授・東大名誉教授)

 デジタル技術の進展により情報が国境を越えて広がる時代に入った。情報が広がると、既存の体制や考え方への疑問がわき上がり、いろいろな意見が飛び出してくる。これまでのパラダイムとは全く異なる方向に私たちは進んでいると思った方がよい。

 日本人はこれまでよく勉強し、繁栄を築き上げてきたが、デジタル時代にはこのままでよいのか考える必要がある。官庁や会社は縦割りでやってきたが、もはやそれではうまく行かなくなっている。単線路線のエリートではデジタル時代はやっていけない。日本は自分たちのこうした弱さを認識すべきだろう。世界の人が学びたいと思う大学が日本にあるか、世界の人が読みたいと思う本を日本は書いているのか。自分の弱さを認識するのは難しいが、そこからしか未来は開けない。「できない理由」を探すのではなく、「どうやってやるか」を考えようではないか。

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