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営業力 100本ノック

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デキる営業が相手を動かす話しをする秘密

東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション 取締役 北澤 孝太郎氏

3.ミーティングや商談をまとめるためにやるべきことは

●話をまとめるには方法がある

 話が一定の時間内にまとまらないのは、2つの理由が考えられます。まだ十分に議論がし尽くされていないケースと、話が拡散しすぎてまとめるタイミングを逸しているケースです。この2つのケースを避けるために、あなたは、ダイアローグ(対話)とディスカッション(討論)という2つの技術を身につけなければなりません。

 まず、会議の前半では、1つの主題について、さまざまな角度から、意味を共有するために拡散型の会話を行います。これがダイアローグ(対話)です。その会議の目的やテーマ、またそこで話される事項や言葉の意味の共有をするために、参加者全員がそこに集中して対話します。仮説を提示し、いろいろなことを探求し、みなが学ぶという姿勢で臨みます。部分から全体を理解したり、部分どうしのつながりをみます。そして、それがし尽くされたと感じたら、今度は1つの議題について、その解答を求めるために収束型の会話を行います。これがディスカッション(討論)です。決定が目的ですから、1つの意味に同意を得たり、仮説を正当化し、主張したり、説得します。問題を部分に分割し、部分間の違いをみたりして、どちらがよいか判断していきます。

●商談では、まったく話さない人は要注意。必ず対話の中に入れよう

 ミーティングや商談で同席した人が何も話さないことがあります。これは、営業マンにとってはとても危険な状態です。その人はダイアローグ(対話)の中に入っていない、つまり意味の共有がしっかりされておらず、疑問や不賛成の意見を持ちつつその場を終える可能性があるからです。そうなると、いったん話をした人との間である結論に至っても、商談が終わってから、「実は私はあの結論には反対です」などと、あなたがいないところで結論がくつがえることが起こりうるのです。

 社内のミーティングなら、話さない人が悪いという論理も成り立ちますが、商談ならそうはいきません。あなたは、その商談の営業マン兼ファシリテーターという意気込みで、まず全員参加のダイアローグ(対話)を仕掛け、全員が意味を共有できたという確信を持って、ディスカッション(討論)、結論に進んでいきます。言葉を換えていうなら、意味共有の段階で参加者全員にしゃべってもらう、意思決定の段階では合意の確認をとるということです。商談をまとめる、まとめないのもあなたの力量次第なのです。

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