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営業力 100本ノック

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デキる営業が相手を動かす話しをする秘密

東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション 取締役 北澤 孝太郎氏

 営業を科学的にとらえ、体系化して論理的に考えるにはどうするか。リクルートを皮切りに、長年、営業リーダーとして最前線で活用し、現在は大学院での講義や、研修・コンサルティングなどで活躍する著者が営業の本質を100項目にまとめました。最終回ではそこから、相手を動かす話し方に関する4項目を掲載します。

1.いいたいことを論理的に話すとはどういうことですか

●相手を動かすには、論理的な筋道が必要

 「君のいうことは、わかりづらいよ」といわれたら、それは論理的に話せていないということです。論理的に話すとは、結論とその根拠を明確にし、筋道を立てて話すことです。思い出してほしいのは、コミュニケーション力とは相手を動かす力だということです。相手を動かす目的のために、それを達成する手段が言葉だとすると、相手が納得しやすいように、筋道がついていることが大事なのです。

 特に、相手からの質問に対する答えは、必ず結論と根拠、その背景、そしてそれを実行する方法が明確に、しかも順番に並んでいなければなりません。結論は状況によって、場合によってと条件をつけずに、ズバッと明示し、その根拠は事実に基づくものなのか、それとも自分の意見なのかまではっきりさせたいものです。そこが曖昧になると信憑性に影響が出ます。そして、背景も事実が時系列に並んでおり、方法は5W3H(※)が具体的に示されていることが望まれます。顧客や上司から質問されたら、とっさに、何も考えないで思いつくことを話しだすのではなく、一呼吸置いて、あなたの答えを、つまり結論と根拠、背景と方法をしっかり整理してから話すようにしましょう。

(※)5W3H=いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、どれくらい(How many)、いくらで(How much)

●話す相手によって、結論の位置をどこにするか決めよう

 特に、上司や顧客などとの切羽詰まった応酬の場合は、頭括法といって、最初に結論を述べ、それからその根拠、背景、方法という順番で話すことをおすすめします。上司や顧客は、ゆっくり話を聴いてくれる時間がない場合が多いので、先に結論から話すのが効果的です。伝えたいことだけを強く心に残すのです。あなたの話す結論と根拠に信憑性があれば、後に話す背景や方法も関心を持って聴いてくれるでしょう。

 逆に、部下や、時間に余裕のある顧客などの場合は、尾括法といって、最初に根拠から話し始め、間に背景や方法を挟み、最後に結論で締める方法をおすすめします。もし、あなたが時間のコントロールをすることができるなら、話の信憑性も大事ですが、できる限り文脈を共有し、共感を生みつつ、相手が自分ごととしてとらえてくれるように持っていきたいものです。なるべく閉じられた空間で、たっぷりと時間を使って、そして、結論を確認し合うように話すことを目指しましょう。効果的に話すには、結論や根拠、背景、方法の順番も工夫します。

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