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FIN/SUM WEEK 2017 レビュー

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仮想通貨による資金調達「ICO」にルール作りを

FIN/SUM WEEK 2017 討論会「仮想通貨戦争 どんな終わり方を迎えるか」より

 「FIN/SUM WEEK 2017」初日の9月19日、東京・丸ビルのメーンホールでパネルディスカッション「仮想通貨戦争 どんな終わり方を迎えるか」が開催された。討論では、仮想通貨を通じて資金を調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)にルール作りが必要との意見が出されたほか、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンが新しい経済圏を切り開く可能性が指摘された。登壇者と主な発言内容は以下のとおり。(文中敬称略)

登壇者

加納裕三氏(ビットフライヤー代表取締役)
沖田貴史氏(SBIリップル最高経営責任者=CEO)
トニ・レーン・キャサリー氏(米カルチャー創業者)
ジャック・サバ氏(米デイワンインベストメンツ共同創業者兼マネージングパートナー)
パベル・マトビーブ氏(英ワイレックスCEO)

司会
ベン・シラー氏(米ファストカンパニー スタッフライター)

ICOは発行する側と投資する側、両方に倫理観が必要

シラー 仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)が注目されているが、どう思うか。

ベン・シラー氏(ファーストカンパニー スタッフライター) ベン・シラー氏(ファーストカンパニー スタッフライター)

キャサリー トークン(コイン)なしで投資することは疑問に思っており、業界内で自主規制が必要と感じている。投資家が怖がらずに前向きに行動できるようなバランスが重要だ。

加納 日本で今年4月に仮想通貨法が施行されたように、ICOにも何らかのルールが必要だ。ルールがないと中国のように全部を禁止にしたり、野放しで詐欺が横行したりすることになる。日本はもっとコントロールしながらやっていくべきだ。

沖田 スタートアップ企業にとってICOは資金調達を多様化する面白い手段だ。ただし、発行する側と投資する側の両方の倫理観が求められる。混乱したままで大きなトラブルがあると、ICOの仕組み全体がつぶれかねない。

トニ・レーン・キャサリー氏(カルチャー創業者) トニ・レーン・キャサリー氏(カルチャー創業者)

サバ スタートアップ企業にとってICOは非常に効果的だ。いろいろな経験を学びながら残っていくのではないか。

マトビーブ ブロックチェーン技術は魅力的であり、ICOも資金調達に非常に魅力的な仕組みだ。今は「ワイルドウエスト」(無法地帯)の状態なので、投資家保護のために何らかのルールや業界の自己規制が必要だろう。

シラー 「ICOはクラッシュする」との指摘もあるが、仮想通貨が崩壊した場合、どのようなことになるのか。

ジャック・サバ氏(デイワンインベストメンツ共同創業者兼マネージングパートナー) ジャック・サバ氏(デイワンインベストメンツ共同創業者兼マネージングパートナー)

サバ ブロックチェーン技術の分野は人手不足に陥っている。だが、仮想通貨業界がクラッシュした場合、過剰反応で全部を禁止する国から、規制が緩い国へと人材や技術が移動することが起きるかもしれない。クラッシュしないようにするためにも、何でもありではいけない。

マトビーブ 規制が緩い小国にとってクラッシュは大きなチャンスになる面もある。日本でも仮想通貨に関する外資を誘致する絶好の機会になるかもしれない。

キャサリー ビットコインの生成の仕組みに留意すべきだ。例えビットコインがつぶれたとしても、仮想通貨が新しい価値を作り出したという事実は世界を変えていくだろう。

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