日本経済新聞 関連サイト

リクルートのすごい構"創"力

記事一覧

「神速」で減退の兆しつかみ、手を打つ

ボストンコンサルティンググループ日本代表 杉田 浩章氏

 それまでターゲットとしてきた顧客層で、リクルートのサービスが行き渡ってしまい、成長の余地がなくなってしまうこともある。そもそもオペレーションが効率的でなく、顧客が求めるスピードでサービスが提供できないことがボトルネックになることもある。

 しかし、単に集客数を増やしたり、売上を上げるという成果だけを追い求めていては、こうした成長減衰の予兆をつかんだりすることはできない。縦ぐるぐるや横ぐるぐるに乗せるべき貴重な情報は、吸い上げられることなくこぼれ落ちてしまう。それでは、次のS字を生み出すことはできない。

予約サービスに舵を切った「ホットペッパー」

 飲食店情報サイト、「ホットペッパーグルメ」は、競合が乱立する中で競争は激化。ほかの競合サイトは、飲食店の食材仕入れに力を入れたり、口コミ情報を集めることで利用者数の拡大を図るなど、競争優位性を追求していった。

ホットペッパーの進化

 ホットペッパーグルメでは、フリーペーパーのクーポンマガジン「ホットペッパー」で培ったクーポンや広告を中心に事業を展開していたが、美容院などの情報・予約サイト「ホットペッパービューティー」と同様、飲食店の予約サービス強化に舵を切った。

 しかし、飲食店のテーブルの空き情報と連動していないと、サイト上で予約を完了することができないので、使い勝手が悪く、利用者は頭打ちになってしまう。

 そこで生まれたのが、iPadなどを利用する無料のPOSレジアプリ、「Airレジ」だった。このアプリは、テーブルごとの注文の入力からレジでの会計情報までの情報管理を行う。どのテーブルが空いているか、可視化し、「在庫化」することができるのだ。

 このため、「Airレジ」を導入している飲食店では、リアルタイムで自動的にテーブルの空き情報が「ホットペッパーグルメ」のサイトに反映される。サイトの利用者は、飲食店を探し、行きたい店を見つけたらその場で予約をすることができるようになる。利用者にとっての利便性も高まるし、飲食店の業務効率化にもつながる。

 リクルートにとっては、サイトへの店舗の広告掲載により認知を拡大することで対価を得るというそれまでのビジネスモデルを進化させることができた。予約にまで踏み込むことでユーザーを開拓して送客数を増やし、クライアントを拡大することに成功したのである。

PICKUP[PR]