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GRIT!やり抜く変革マネジメント

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失敗を繰り返す組織とどのように向き合うべきか

マネジメントソリューションズ 有馬亮二氏

 プロジェクトマネジメントは今や限られた業種・会社で使うものではありません。多くの企業は、一般的なプロジェクトマネジメント標準を自社向けにカスタマイズして、プロジェクトマネジメントの標準的な手順を整備し、その手順に則ったプロジェクトの運営を行っています。

 もちろん、変革プロジェクトにおいても変革の実現に向け、さまざまな観点からプロジェクトマネジメントを行うのですが、第1回でも述べたように、変革プロジェクトは難易度が高く、期待した成果を出せない場合が少なくありません。そこで今回は、変革プロジェクトを含めて、社内で実行されるあらゆる種類のプロジェクトが失敗した場合に、失敗を繰り返さない方法について説明します。

 あなたの会社では、失敗したプロジェクトへどのように向き合っていますか。プロジェクトマネジメントを実践し、本連載の名前にも含まれている「GRIT(ガッツ・回復力・自発性・執念)」をもってプロジェクトをやり抜いたものの、残念ながら期待した成果を得られず失敗したとしましょう。プロジェクトマネジメントの観点からまず行うべきはプロジェクトの「振り返り」です。振り返りでは、プロジェクトが終了したとき、次のプロジェクトを確実に成功させるための教訓と対策をまとめます。

 しかし、振り返りを行ったにもかかわらず、同じ失敗を繰り返す場合もあります。よく聞くのは、特定の部署や特定の会社で失敗が繰り返されるというものです。なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?そして、振り返りでも再発を防げない失敗は、どうすれば防ぐことができるのでしょうか?

 同じような失敗を繰り返す組織への対処は、難易度が高いのですが不可能ではありません。本連載の第1回「社長の『想い』、伝わっていますか?」ではジョン・P・コッター氏の著書『企業変革力』(日経BP社)から8つの変革プロセスを紹介しましたが、今回のテーマは8つの変革プロセスのうち、最初の「1.危機意識を高める」ことにもつながりますので参考にしてください。

図表1 大規模変革推進のための8段階の変革プロセス(第1回の図表1の再掲)

「振り返り」は気づきのチャンス、必ず取り組もう!

 まず、改めて強調したいのは、振り返りは非常に重要であることです。あなたは振り返りにどのような印象を持っていますか。プロジェクトマネジメントの標準的な手順に定義されているため仕方なく実施している、形式的なイベントと認識している方がいれば、それは考えを改める必要があります。振り返りは、気づきの良いチャンスであり、組織が成長するための良いチャンスです。

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