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営業力 100本ノック

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営業がいま身につけるべき最大の武器とは?

東京工業大学大学院特任教授、レジェンダ・コーポレーション 取締役 北澤 孝太郎氏

 営業を科学的にとらえ、体系化して論理的に考えるにはどうするか。リクルートを皮切りに、長年、営業リーダーとして最前線で活用し、現在は大学院での講義や、研修・コンサルティングなどで活躍する著者が営業の本質を100項目にまとめました。この連載では、そこから厳選した項目を毎回4つずつ掲載します。

1.お客様は何を望んでいるか知っていますか

●お客様の深層心理は意外と別のところにある

 商品やサービスが売れているからといって、その商品やサービス自体が喜ばれていると考えるのは早計です。お客様は、市場にそれしかないので仕方なく買っているということもありますし、商品やサービス以外のもの、例えば営業マンや販売員の接客や人間関係、デリバリーのスピードやブランドに約束された安心感など、その商品やサービスを購入する理由はさまざまなところにあります。また、あなたがメーカーの営業マンだった場合には、販売店がその商品・サービスを他の商品やサービスより積極的に扱ってくれているから、顧客との関係性がいいからという理由だって考えられます。

 このように、お客様が購入に至る深層心理は、いろいろなところに存在するのです。売れているときにこそ、その商品やサービスがなぜ売れているのかをよく見ることが必要です。売れなくなってからでは、営業戦略の打ち手が後手後手に回ったり、商品・サービスの特徴を変更するにはすでに手遅れ状態に陥りがちです。商品やサービスを取り巻く環境は、常に変化します。それに伴って、売れている理由も、どんどん変化してしまうことを肝に銘じましょう。

●喜ばれている理由を変えず、喜ばれていないところは思い切って切り捨てる

 会社が、商品やサービスを革新しようとしているとき、顧客が喜んでくれている理由が保てない変革ならば、あなたが一営業マンであったとしても、勇気を出して思い切って反対すべきです。逆に、喜ばれていないところが社内事情や流通の事情のために、まだ残っているようなら、これも思い切って変更することを提案してください。また、自社は何をする会社なのか、その理念に合わない商品やサービスも思い切ってやめることも大切です。そんなものを扱っていても、雨の日も風の日も、皆さんが誇りを持って、足しげく顧客に通い、強く説得することなどできないでしょう。

 売るための工夫も続きません。「誰に何を買ってもらいたいのか、そしてどう喜んでもらいたいのか」、これを考え続けることこそが営業マンの仕事です。言い換えると、我々は何者で、お客様は誰で、どんな気持ちでいて、何をすれば喜んでくれるのかを問い続けることです。これこそが営業マンとして最も大事なことと思ってください。「我々は何者で、お客様は誰で、何をすれば喜んでくれるのかを考え続ける」です。

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