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IoTの勘所

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IoTでなぜ製造現場の生産性が30%も上がるのか

オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 中島克起氏に聞く

 オムロンという社名を聞いて、読者の皆さんは何を思い浮かべるだろうか。日常生活では、体温計や体組成計などでお世話になっている人も多いだろう。

 同社はそうした健康医療機器・サービスを提供する事業に加えて、制御機器・FA(ファクトリーオートメーション)システム事業、電子部品事業、車載電装部品事業、社会システム事業といった幅広いビジネスを展開している。

 その中、制御機器・FAシステム事業では、あらゆるものがネットにつながるIoTの活用を事業変革の1つの核に、生産性向上や製品の品質向上を加速しようとしている。

<b>オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの中島克起氏</b>

オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの中島克起氏

 制御機器・FAシステムの事業分野で、IoTの活用による生産性向上や製品の品質向上が求められる背景には、同社の「Value Generation 2020」と名付けた10カ年にわたる長期経営計画がある。

 2020年度を最終年度とするもので、2017年度から始まった最終中期計画「VG2.0」では、2016年度に約8000億円だった売上高を2020年度に1兆円まで引き上げる。

 特にFA分野では1000億円以上の積み上げを実現して、4800億円以上の売上高を達成することが目標だ。FA分野のビジネスのボリュームアップを実現するために、大きな変革が求められているという。

目標実現へ製造現場レベルでもIoTの活用が必要に

 製造現場の環境変化も同社のIoT活用を後押している。オムロンでは、グローバルで48の生産拠点を構え、さらにM&A(合併や買収)も推進している。買収先も含むグローバル拠点間の品質の安定化をどのように実現するかが喫緊(きっきん)の課題になってきたのである。

 さらに、特に国内では現場作業員の高齢化、熟練作業者の不足といった課題が着実に重要性を増しているほか、海外の生産拠点でも人件費増加が顕著になり、生産性の向上が求められるようになっていた。

 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 検査システム事業部 開発部 戦略技術課 課長 経営基幹職の中島克起氏は「こうした変化に対応しようとしたとき、IoTやAI(人工知能)といった技術が現場の課題解決に役立つようになってきました」と語る。

 オムロンでは、FAによる製造現場の革新をまとめるコンセプトとして「i-Automation」を掲げている。「i」は革新的であることを示す「イノベーティブ」を意味し、同時に製造現場の3つのiを包含しているという。具体的には、制御の進化を示す「インテグレート」、知能化を進展させる「インテリジェント」、人と機械の新しい協調の姿を追求する「インタラクティブ」を指す。

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