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グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

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AIと共に生きる、目を背けず自ら変化起こせ

米マーサー 社長兼CEO フリオ・ポルタラティン氏

 AI(人工知能)やロボティクスといったデジタル技術の急速な進展が、人々の働き方を大きく変えようとしている。破壊的な技術革新が進む「デジタル・ディスラプション」の時代に、企業は雇用や人材育成の仕組みをどう作り直せばよいのか。また、個人はどんなスキルを身に付けるべきなのか。人事・組織コンサルティングの世界大手、米マーサーの社長兼CEO(最高経営責任者)であるフリオ・ポルタラティン氏に聞いた。

仕事と生活を統合的に捉える

――デジタル化やグローバル化により、人々の働き方が大きく変化しています。特定の企業に属さず、業務ごとに仕事を請け負うエージェント型や、期間限定の雇用形態の普及は「Gig Economy」と呼ばれ、世界中に広がりつつあります。最近の動きについて、どう捉えていますか。

フリオ・ポルタラティン氏(Julio Portalatin)<br>

大手保険会社を経て2012年にマーサー入社。同年より社長兼CEOとして、130カ国以上に広がる顧客をサポートする22,000人以上の社員を指揮する。また、仕事の未来や人的資本の動向、グローバル化、医療改革、長寿社会、経済的幸福、年金制度、職場の多様性といった幅広いトピックについて世界各地で講演を行っている。世界経済フォーラム(WEF)では教育・ジェンダー・仕事の分野で幹事を務めている。 フリオ・ポルタラティン氏(Julio Portalatin)
大手保険会社を経て2012年にマーサー入社。同年より社長兼CEOとして、130カ国以上に広がる顧客をサポートする22,000人以上の社員を指揮する。また、仕事の未来や人的資本の動向、グローバル化、医療改革、長寿社会、経済的幸福、年金制度、職場の多様性といった幅広いトピックについて世界各地で講演を行っている。世界経済フォーラム(WEF)では教育・ジェンダー・仕事の分野で幹事を務めている。

 最初に申し上げたいのは、変化のスピードが非常に速いということです。今日話したことが数カ月後にはドラスティックに変わっているかもしれません。その前提に立ち、マーサーが最近行った調査・研究から、いくつかトレンドを示すことができます。まず、デジタル化、自動化、AI、3Dプリンティングといった技術の進展が、従業員に必要となるスキルを革命的に変えようとしていることです。労働の本質そのものが革命的な変化を経験しつつあるとも言えるでしょう。これは日本でもそうですし、世界全体でも同様です。

 また、こうした変化は、仕事と家庭の境界をあいまいにしつつあります。私たちは仕事と普段の生活を分けるのでなく、もっと統合的に捉える必要があるでしょう。企業は日進月歩で変化する環境の中で、どう従業員を導いていくかを問われています。従業員が変化をきちんと理解できるよう教育し、支援していく役割が企業に求められているのです。

――具体的には、企業はどんな施策を取ればよいのでしょうか。マーサーの調査・研究からわかったことを中心に教えてください。

 1つは、大胆な行動計画を設定し、明示的に成長戦略を進めていくことです。マーサーの調査「2017年グローバル人材動向調査 Global Talent Trends Study」によると、日本を含む世界の大企業で働く管理職のうち90%は、今後2年間で自分たちの組織を新たに作り直す必要性を認識しています。組織をフラット化し、官僚主義を取り除くことで、顧客に最も近い場所で働く現場の従業員が、より効率的に、俊敏に動ける仕組みが必要だと考えているわけです。しかし、実際に組織が変化したと考える管理職はわずか4%にとどまっています。

 2つ目は、従業員が企業に求めているものが大きく変化していることです。労働に対する報酬のあり方も、パラダイムシフトする必要があります。例えば、日本企業で働く99%もの人が、自分たちのパフォーマンスについて、もっと幅広い観点から貢献度合いを評価してほしいと考えています。個人の業績だけでなく、チームとしての成果や、会社のビジネスゴールと連動した目標が必要だというわけです。

 3つ目として、自分たちが働く職場環境について、従業員はより自分に合った環境を求めるようになっています。少々大げさにいうと、テーラーメードの職場です。仕事をするという個人としての経験を大切にしたい、それによって自分をもっと成長させたいと考えているのです。そのためには、仕事、家庭、個人の生活をバランスさせる必要があり、企業に対して自由な時間や有給休暇を取得しやすくするといった柔軟性を求める声が高まっています。

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