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都道府県格差

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意外?都会のほうが労働時間が短いワケ

橘木 俊詔 氏、造事務所

 反対に労働時間が短い県は、5人以上の事業所では、最短が奈良県の134.4時間、2位が埼玉県、3位が兵庫県、4位が京都府、5位が神奈川県で、東京、大阪に近い府県が多い印象です。

 30人以上の事業所でも、最短は奈良県の141時間、2位は京都府、3位は埼玉県、4位は兵庫県、5位は千葉県と顔ぶれはあまり変わりません。さらに、5人以上の事業所と30人事業の事業所のいずれでも、労働時間の短さで東京都と大阪府は10位以内という結果が出ました。

 つまり、労働時間に関しては、人口の多い都市部のほうが短いというはっきりとした傾向がみてとれます。

 都市部は猛烈に働く人が多く、地方ではのんびりとしているというイメージがあるかもしれませんが、都道府県単位でみたとき、それは事実ではないようです。

 この理由のひとつは、人員の確保のしやすさでしょう。同じ仕事量でも、少ない人数で働かないといけない環境ならば、それだけひとりひとりの労働時間は長くなるからです。

 また、先ほど触れた正規雇用と非正規雇用の比率も、労働時間に影響していると思われます。労働時間が1位の福島県では、2011年3月に起こった東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故で膨大な復興事業が生じるいっぽう、多くの住民が県外に避難せざるを得ませんでした。そのため建設現場などでは、深刻な人手不足になっていると報道されています。

残業の多さも愛知はトップ?

 人手不足の目安のひとつになるのが、求職者数に対する求人数の割合である、「有効求人倍率」です。

 福島県はこの数値が1.46倍で全国9位。こうした労働力の不足は、東北や九州などで過疎化が進んでいる県には共通する問題といえます。ここでも、先ほど触れたような「都会は忙しいが、地方はのんびりしている」というイメージを覆す結果が出ているのです。

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