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都道府県格差

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非正規社員が多い県と少ない県の違いは何?

橘木 俊詔 氏、造事務所

 愛知県の人口は全国4位ですが、それでも1人あたり金額が全国2位になるのは、製造業として日本最大の企業といえるトヨタ自動車(豊田市)と、その関連企業の収益力の高さがうかがえます。

 次に、雇用形態の影響が考えられます。同じ仕事内容でも、パートやアルバイトのような非正規雇用者よりも正規雇用者のほうが、長期勤続による昇給やボーナスなどもあり、手取りの金額が多くなることは当然です。いくら勤労者の人数自体が多い大都市でも、非正規雇用者の割合が大きければ、必然的に所得の総額は小さくなるのです。

 2014年の全国の「非正規雇用率」(雇用者2014全体に占める契約社員、パート、アルバイトなどの割合)は、男性が25.3パーセント、女性が57.0パーセントです。

 東京の近隣県も大阪府もそろって非正規雇用率が全国平均より高く、とりわけ千葉県では男性が30パーセント、女性が64.4パーセントにもなります。

 いっぽう、1人あたり県民所得が上位の県のなかでも、愛知県、静岡県、栃木県は、いずれも男性の非正規雇用率が全国平均より下です。

 それでは、非正規雇用者が多い県と少ない県の違いはなんでしょうか?

 そのひとつのカギが、「第二次産業従事者の割合」でしょう。商店の店員や事務員などが属するサービス業(第三次産業)は、長期の安定した正規雇用にはならない場合が少くないのですが、工場勤務などの第二次産業従事者は、一定の専門技術修得に継続した訓練が必要なことなどから、長期的な正規雇用となりやすい傾向があるようです。

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