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FIN/SUM WEEK 2017 レビュー

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フィンテック、「資産形成層」拡大の契機に

3割減る老後の金融資産、拡大する格差に対応できるか ~QUICK資産運用討論会

フィンテックが生む新技術は資産形成のハードルを下げるか?

◆「自動化で裾野広がるが信用力もカギに」(チャップマン氏)
◆「フィンテック内で商品・サービスの淘汰」(藤野氏)

 北澤 フィンテックが生む新しい技術は資産形成へのハードルを下げてくれるでしょうか?

 チャップマン できなかったことができるようになり、(投資家の)入口を広げてくれる効果が一番大きいと思います。フィンテック効果のひとつに自動化があります。よりパーソナルなサービスをアプリ、AIで提供できるようになったり、長い書面に煩わされずに資産を管理できるになったりするでしょう。ただし、認知度はまだ低い。「ロボアドバイザー」を手がけるウェルスナビ社、おつりで投資できる「トラノコ」。弊社も家計簿アプリを手がけていますが、利用者は若年層にとどまっています。今後はアプリなどに対する信用力も重要になるでしょう。

  やはり、タッチポイント(投資家との接点)が変わってくるでしょう。アプリを軸にナビゲートやパーソナライズの仕組み次第の面はありますが、おカネの使い方が変わる可能性はあります。

 油布 フィンテックの普及によって富裕層主体だったBtoCビジネス、マスマーケティング的な流れが変わり、ビッグデータなどでカスタマイズされた助言などが可能になってくるでしょう。もっとも、ユーザーが助言やデータなどをどこまで取り入れるかは結局、フィンテックのサービスやアプリを提供している企業側の信用も影響してくるでしょう。

 藤野 日本の古いおカネである和同開珎が誕生したときに、ニセ硬貨が多く作られました。政府が現場を押さえたところ本物よりできばえがよかったのでその腕を見込んで鋳銭司(じゅせんし)として雇ったという話があります。ハッカーを雇うのと同じです。フィンテックも今後いろいろな商品やサービスが登場し、官民の知恵の絞りあい、だましあいが続き、よりよいものが残っていくでしょう。淘汰がフィンテックの新たなダイナミズムを生むとみています。

(日本経済新聞社 FIN/SUM事務局)

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