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FIN/SUM WEEK 2017 キーパーソンの思い

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6人のキーパーソンが参加者のアイデアを刺激

FIN/SUM WEEK 2017 アイデア・キャンプ事前説明会

 フィンテックベンチャーのためのコワーキングスペース「FINOLAB」(東京・大手町)で9月9日、FIN/SUM WEEK 2017のアイデア・キャンプに関する事前説明会が開かれた。アイデア・キャンプ出場予定の18チーム中9チームの大学生・大学院生が参加。「地方創生」「資産形成」「安心安全」といった3つのテーマが挙げられ、スタートアップ企業や金融機関、IT企業のキーパーソンがそれらに関する最新知識や考え方などを提供して参加者を刺激した。ここでは、各キーパーソンの話を登壇順にまとめよう。

海外での生活体験を通じて仮想通貨の革新性を実感

bitFlyer 経営戦略部 法人営業 山口将彦氏

――bitFlyer(ビットフライヤー、東京・港)は仮想通貨ビジネスを目的に2014年に設立されたスタートアップ企業です。「透明な価格でビットコインを簡単に売買する」というモットーの下、利用者は60万人以上、月間取引量は1.5兆円に達しています。国内最大の仮想通貨・ブロックチェーン企業と言えるでしょう。

bitFlyer 経営戦略部 法人営業 山口将彦氏 bitFlyer 経営戦略部 法人営業 山口将彦氏

 現在、仮想通貨は約1000種類にまで増加しています。仮想通貨全体の時価総額(約14兆円)の半分、約7兆円がビットコインです(2017年9月中旬現在)。イーサリアム、ビットコインキャッシュがこれに続いています。

 ビットコインについて最近は毎日のようにニュースが報じられていますが、何が革新的なのかを説明します。各国の中央銀行が発行する通貨をインターネット上で取引しようとすると、信用できる第三者として金融機関が必要になります。このため、金融機関の仲介コストが取引コストを引き上げ、取引規模が限定されて少額取引は全く無視されてしまいます。国境を越えた募金やコンサートなどの出演者への投げ銭、デジタルコンテンツの部分課金など少額な取引はインターネットではできない、または高くなってしまうわけです。ビットコインの生みの親といわれるナカモトサトシ氏は2008年の論文の中で「信用ではなく暗号による証明に基づく電子支払いシステムがあれば、金融機関のような第三者を介さずに直接に取引できる」と述べました。ここからブロックチェーン技術を使ったビットコインが誕生しました。ビットコインの取引は、スマホなどでQRコードを読み取るだけで、少額から、世界中どこへでも、極めて低い手数料ですぐに行われます。これがビットコインが革新的といわれるゆえんです。

 2013年、当時の米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ理事長は書簡の中で「ビットコインなど仮想通貨には長期的に可能性を持つ領域があるかもしれない」と述べ、これをきっかけにビットコインの取引量が急激に拡大しました。また中国での取引所開設など取引量も急拡大し、価格も現在は1ビットコイン当たり約50万円(9月上旬現在)にまで急上昇しています。

 世界でビットコインが利用できるリアル店舗は約1万店を超えてきました。日本でもビックカメラ、丸井グループのマルイなどビットコインを取り扱う店舗が出始めています。

 さらにビットコインは「有事に買われる」ことがはっきりしてきました。高額紙幣廃止など各国通貨で何か発生すると、人々はこぞってビットコインの購入に走りました。投機イメージが強いビットコインですが、実は資産の価値保存や資産形成の役割も果たしています。

 私がビットコインなど仮想通貨の魅力に引き込まれた経験をお話しします。2年ほど前まで、私は東アフリカのケニヤで生活していました。ケニヤでは自国通貨の「ケニア・シリング」と同じように携帯電話会社が発行するポイントが流通しています。不安定な政治情勢や乏しい金融インフラなどから、人々が実際の通貨ではなく、デジタルマネーを普通に使っていることに日本人の私は驚きました。携帯電話ポイントの世界版がビットコインに近しいこともあり、「仮想通貨の可能性はすごいのではないか」と体感したことが、bitFlyerに入社したきっかけです。

 みなさんにも仮想通貨の将来に興味を持っていただきたいと願っています。

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