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Disruptor 50 破壊的革新を生み出す企業

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つながる世界の成熟とイノベーションの停滞

ドリームインキュベータ ビジネスプロデューサー 芹澤 敬介氏、 村上 岳氏

 前回の記事(データ分析やセキュリティーが主戦場に)では、今年のDisruptor 50を概観したが、今回は2013~17年のDisruptor 50を分析してみよう。結果として以下のことが見えて来た。

つながる世界が成熟した結果、イノベーションの停滞が見られる。他方、Disruptorのエグジットは着々と進んでいる。
IPOをしたDisruptorの半数以上は、IPO直後の株価よりも現在の株価が低い。
買収されたDisruptorの半数以上は世界の時価総額ランキング上位の企業に買収されており、これらの企業がますます強くなる。
イノベーションの時代が終息する前に、Disruptorと協力関係を作り上げることが重要。

① つながる世界の成熟とイノベーションの停滞

 Disruptor50に掲載されている企業の多くが本社を構える米国では、8月前半に連日NYダウ、ナスダックの最高値更新のニュースが流れたとおり、株価は堅調に推移をしているようだ。

 一方、Disruptor50を分析し、まず見えてきたことは"イノベーションの停滞"である。

 2013年以降にリストアップされた企業のうち、その年に初めて掲載された企業の数は、徐々に減っていることが分かった。毎年発表されている以上、徐々に企業が重複するのも当然という向きもあるだろう。しかし、掲載年の3年以内に設立された企業の掲載数も徐々に減っている。

 停滞の背景の1つにはスマホシフトの落ち着き、具体的には以下のようなことが考えられるのではないか。

・スマートフォン市場における大きなビジネスの勝敗が決し、新しいベンチャーはニッチな市場を目指すようになってきている(UberやFacebookと正面からは戦えない)。

・比較的早く立ち上がる事業は掘りつくされ、研究開発などに時間がかかるものが残されている。

 ただし、この停滞は一時的なものであり、Amazon EchoやGoogle Glassなど、ヒトとインターネットをつなぐハードウェアの変化によって、また新しいパラダイムに突入する可能性もある。こうなれば、新しいサービス・企業がまた登場するだろう。

 ドリームインキュベータとしては、これらのプラットフォームや市場の変化を敏感に捉え、新しく登場するベンチャーを追いかけていく。

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