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古川修の次世代自動車技術展望

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ARだけじゃない、脳科学活用で期待のHMI技術

芝浦工業大学 特任教授 古川 修 氏

 今後の自動車の情報化を進めるうえで、一番大きな課題となるのは、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)技術である。コネクティッドカー(つながる車)が主流となってくれば、自動車にはいくらでも情報が入ってくる。それらの膨大な情報の中からドライバーにとって必要となる情報を抽出し、ドライバーが運転中でも分かりやすいような形で提供することが、必須の課題となる。

 先進運転支援システム(Advanced Drive Assist System:ADAS)ではドライバーの覚醒度などのモニターやドライバーの運転行動予測のためのHMI技術の進化が必要となっている。さらに自動運転でもドライバーとシステムの間で、運転主体が移る際などには、高度なHMI技術が必要となってくる。今回は、HMIの現状の課題と将来の進化の方向性を考察する。

HMI技術の今昔

 HMI技術、すわなち、ドライバーと自動車との間をつなぐ技術という意味の用語は、昔と今では大きく異なる。当初は、メーターなどの情報系とスイッチ類などの操作系に限られていた。しかし、カーナビゲーションシステム(カーナビ)が1980年代に出現して、さらにテレマティクスへと進化して自動車は多様で膨大な情報を扱うようになると、その情報をどのような媒体で自動車とドライバー間の意思疎通を行うかという観点で、大変重要な技術となってきた。

 膨大な情報をそのまま垂れ流しでドライバーに伝達しても、運転中のドライバーにとっては迷惑な話であり、真に伝えるべき情報が伝わらないばかりか、ドライバーの運転行動を阻害する恐れもある。いかに情報を整理して、その中から選択された重要な情報を、どの媒体によってドライバーに伝えるかという検討が、HMIのデザインで必要となる。

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