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フィンテック キーパーソンに聞く

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「知の探索」へ現場主義貫く

NEC FinTech事業開発室長 岩田太地氏

物事の本質追求へビジュアル化するスキルを重視

 もう一つ写真と関係のある話として、ビジュアル化するスキルの重視がある。FinTech事業開発室と同じ東京・芝の本社の33階に、同じくビジネスイノベーション統括ユニットに属する「デザインセンター」がある。岩田氏は同センターとの連携が重要だと話す。

 「物事の本質を追求し、価値を共有するのは、言葉ではうまくいかない場合があります。デザインはそれを形で見せることができますし、デザイナーはそのような能力に長けた人たちです」

 大学を卒業して帰国し、NECに入社する。「顧客に決まった物をあてがうのではなく、問題の解決法を考えるソリューション営業にあこがれた」という。しかし金融機関向け営業を10年強経験し、新たな発想が必要と感じるようになった。

 「一言でいえば、ビジョンメイキングでしょうか。目指したい姿を顧客と共有する。NECでは『共創』と呼んでいます。金融機関だけでなく、公的サービスを提供する行政機関とも、ビジョンの共有が大切になると思います」

 今後もフィンテックでイノベーションを生み出すしかけ作りに力を入れたいという。その際、キーワードとなるのは「セキュリティ(安全)」である。

 「フィンテックの時代にはセキュリティのやり方が変わってきます。IoT(あらゆるモノをネットにつなげる技術)の普及やAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の公開、金融機関と異業種、スタートアップとの連携、金融取引のモバイル化、高度化などの中で、金融サービスの足元をセキュリティ技術でしっかり支えていきます」

「すべての人がお金の不安や、そこから発するさまざまな不安から解き放たれる世界になってほしいし、なるべきだと思います」 「すべての人がお金の不安や、そこから発するさまざまな不安から解き放たれる世界になってほしいし、なるべきだと思います」

 さらにその先、フィンテックによってどのような近未来を思い描いているのだろうか。

 「インクルーシブ(包括的)な世界ですね。今は金融サービスから取り残され、銀行口座も持てない人が世界にたくさんいます。誰も取り残されることなく、すべての人がお金の不安や、そこから発するさまざまな不安から解き放たれる。それによって飛躍し、自由になる。中小企業や個人事業主が簡単に正規の金融サービスにアクセスでき、事業意欲が大きく高まる。フィンテックによってそのような世界になってほしいし、なるべきだと思います」

 そのような理想に向けて、FIN/SUM WEEK 2017では多くの人たちと語り合いたいという。

 「オープンイノベーション、エコシステム、成長の持続可能性などさまざまなテーマについて、企業や行政など参加者の皆さんと議論し、一緒に考える場にしたい。弊社自身もパネルディスカッションを主催します。そのような形で学ぶ場を提供したいし、自分たちも学びたいと思っています」

(日本経済新聞社 FIN/SUM事務局)

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