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成功企業に学ぶ 実践フィンテック

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フィンテックが金融業に創造的破壊をもたらす理由

SBIホールディングス 代表取締役執行役員社長 北尾 吉孝氏

 また、ブロックチェーンはデジタル資産の多種多様な取引を安全に処理できるプラットフォームともいえるでしょう。

 さらに、ブロックチェーンはデータベースの役割も果たしています。ネットワーク参加者(ノード)が「ブロック」と呼ばれる一種の保存場所で、取引履歴の記録を分散して保有管理しているのです。

 最後に、ブロックチェーンは仮想通貨を支える基本技術ともいえます。ブロックチェーンはもともと仮想通貨「ビットコイン」の基本技術として使われたのが最初ですから、そうしたイメージを今なお持っている方も多いでしょう。ビットコインはノード間の競争により承認するという革新的なメカニズム(分散型合意形成アルゴリズムによるプルーフ・オブ・ワークと呼ばれる仕組み)により安全性が保たれています。

 前述のように様々な側面からブロックチェーンを定義できます。そしてその誕生以来、多くのブロックチェーン・アプリケーションが創られるなど新しい進化が次々となされています。

 なかでも、極めて重要なのはスマートコントラクトです。スマートコントラクトは当事者間の私的な契約をプログラム化し、ブロックチェーン上に載せ、これを自動的に執行する仕組みを意味します。スマートコントラクトは情報を自由に発信し、Webとのリンクを可能にしたHTML(Hyper Text Markup Language)に匹敵する革命的なものといえましょう。このスマートコントラクトの出現により従来取引に付随していた膨大なコストと時間がかかる手作業が不要となったのです。

 今後もますます多くのブロックチェーン・アプリが開発されるとともに、ブロックチェーンの拡張性などの面での問題も急速に改善されていくと思います。


北尾 吉孝 編著 『成功企業に学ぶ 実践フィンテック』(日本経済新聞出版社、2017年)、第1章「インターネット革命とフィンテックの進化」から

北尾 吉孝(きたお よしたか)

SBIホールディングス 代表取締役執行役員社長
1951年、兵庫県生まれ。74年慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券入社。78年、英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。89年ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社(ロンドン)常務取締役。91年、野村企業情報取締役。92 年、野村證券事業法人三部長。95年、孫正義氏の招聘によりソフトバンク入社、常務取締役に就任。99年より現職。現在、証券・銀行・保険等の金融サービス事業や新産業育成に向けた投資事業、医薬品開発等のバイオ関連事業などを幅広く展開する総合企業グループ、SBIホールディングス代表取締役執行役員社長。公益財団法人SBI子ども希望財団理事及びSBI大学院大学の学長も兼務。主な著書に『何のために働くのか』(致知出版社)、『進化し続ける経営』(東洋経済新報社)、『実践版 安岡正篤』(プレジデント社)など多数。

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