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投資レジェンドが教える ヤバい会社

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成功する社長は「ケチ」「メモ魔」「細かい」

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 藤野 英人氏

お茶を飲み干す社長の会社は株価が上がる

 企業を訪問するなどして社長に会うときは、その言動を細かいところまで注意深く見ています。そこで気がついたのが、「お茶を飲み干す社長の会社は、株価が上がる」という法則です。

 これはマナーとしてお茶を飲み干すのがよいといった話ではなく、「勢いのある会社の経営者は、お茶もあっという間に飲み干す」ということです。創業者やオーナー企業の社長は、なぜかお茶をがぶ飲みする人が少なくないのですが、これはそれだけエネルギーに満ち溢れているということなのかもしれません。

 ちなみに、サラリーマン経営者の場合は若い頃からマナーを叩き込まれているからか、お茶をがぶ飲みするような人はあまりいません。相手に勧められるまでお茶に手をつけない人、勧められても飲まない人もいます。もちろん、お茶を飲まないのが悪いということではありませんが、お茶を飲み干さない人は慎重であったり型にはまっていたりすることが多い印象です。

 お茶についていえば、私はお茶を出されたときにその社長が「ありがとう」というかどうかも気になります。

 もちろん、話に夢中になっていれば「ありがとう」というタイミングを逃すことはありますが、中にはお茶を出してくれる人がその場にいることをまったく気に留めていない様子の人もいます。私は、こうしたちょっとした場面でもきちんと「ありがとう」をいえる人のほうが、いい経営者である可能性が高いと思っています。

 以前、企業経営者仲間のトライアスロンチーム「トライアスロンボーイズ」で温泉旅行に出かけたことがありました。メンバーのほとんどが、成長企業の経営者という集まりです。

 翌朝、朝食を食べ終わり、荷物をまとめてお会計となったときのこと。私は、経営者たちがみんな、旅館の人に「ありがとう」「おいしかった」「また来るよ」などと声をかけていることに気づきました。その様子を見て、しみじみと「これだよな」と思ったものです。

 レストランなどでお店の人に対して威張ったりぞんざいな態度を取ったりする人は少なくありませんが、そういった社長は自社の社員に対する態度も似たようなものだろうと思います。一方で、お店で自然に「ありがとう」をいえる人、お店の人を元気づけるようなコミュニケーションができる人がトップなら、その会社はいい企業文化を持っているはずです。

 「ありがとう」をいう人は、お店では「お金を払う以上の価値を提供するお客様」として歓迎されます。これは一事が万事で、社員に「ありがとう」をいえるトップなら、社員のモチベーションは高まるでしょう。私は、そのようなトップがいる企業に投資をしたほうが成功する可能性は高いと思っています。

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