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リクルートのすごい構"創"力

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すべての事業の基盤は「リボンモデル」

ボストンコンサルティンググループ日本代表 杉田 浩章氏

 こうした新規事業立ち上げの視点は、リクルート創業時から続いている。リクルートが創業後に初めて創刊した自社メディアである、大学生向けの就職情報誌「企業への招待」も、学生が抱える「不」と企業の採用担当者が抱える「不」を解消するマッチングビジネスだった。

 当時の就活生は、大学が紹介する求人の中から就職先を探すしかなかった。自分で働く先を自由に選べないという「不」を抱えていた学生と、同様に、大学とのコネクションを使ってしか新卒を集める手段がなく、採用活動の幅を広げたいと考えていた企業とを結びつけ、就職情報誌の形でベストマッチングを実現した。

 今では結婚情報サービスの代名詞ともなっている「ゼクシィ」もそうだ。当時の結婚式は、結婚式場紹介所を通じて、ホテルや大手結婚式場に「定番のセット」を依頼する、というもので、それ以外の選択肢はほぼ存在しなかった。

 そんな時代に「ゼクシィ」が着目した「不」は、「どうやって結婚式場を選んだらいいかわからない」「画一的ではなく、もっと自分たちらしい結婚式をしたい」という、結婚式を控えたカップルが持つ「不便」「不満」だった。

 また、結婚式場側も、「自分たちの結婚式場の良さを、結婚式を控えたカップルに伝える場がない」「結婚式場紹介所から紹介されるカップルを待つ以外に、顧客獲得の場がない」という「不便」「不満」を抱えていた。この両者をつなぎ、「不」を解消するために生まれたのが、結婚式場を紹介する「ゼクシィ」だった。

杉田浩章著 『リクルートのすごい構"創"力』(日本経済新聞出版社、2017年)序章「なぜ、あなたの会社の新規事業はうまくいかないのか」、第1章「『不』を発見し、事業性を見極める」から

杉田 浩章(すぎた ひろあき)

ボストンコンサルティンググループ日本代表。
東京工業大学工学部卒。慶応義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て現在に至る。消費財、自動車、メディア、ハイテク、産業財等の業界を中心に、トランスフォーメーション、グローバル化戦略、営業改革、マーケティング戦略、組織・人事改革、グループマネジメント等のコンサルティングを数多く手掛けている。著書に『BCG流 戦略営業』(日経ビジネス人文庫)、監訳書に『なぜ高くても買ってしまうのか』『なぜ安くしても売れないのか』(以上、ダイヤモンド社)がある。

リクルートのすごい構"創"力

著者:杉田浩章
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,728円(税込)

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