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8割捨てる!情報術

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「他人の頭」を使い、「自分の頭」で考える

理央 周 氏

 これは先に紹介した、情報を入手しても、必ず自分の頭で考えよ、というのと同じ意味を持ちます。ややこしいのですが、このようなニュースがあったとします。

(1)ここ2~3年、○○業界では、売り上げが伸び悩んでいる
(2)その背景を調べると、若年層が○○を使わなくなっていた
(3)○○の機能を△△が代替できるようになり、若者は抵抗なく乗り換えているからだ
(4)○○業界のA社は××というサービスを開始、若者層にウケている


 これを一読すると、多くの人は全体として(1)から(4)をひとまとめに「インフォメーション」としての情報であると正しく認識します。ところが、これをデータからウィズダムまでの情報として受け取ってしまう人が結構いるのです。他社の成功事例などを「知る」と、それを「考えず」に模倣するような人です。

 これは、かなりの確率で失敗につながります。(3)(4)はあくまで、情報の発信者、ならびにA社の人々が「考えた」ものです。A社で成功したとしても、同じ業界の他社は置かれた環境、強みなどには大なり小なりの差異があるはずです。

 その差異をきちんと認識せずに、同じ施策を実行したからといって、A社と同様に成功できるとは限りません(失敗するとも限りませんが)。

 ですから、「他人の頭」を経由した「考える情報」は、あくまで自分の頭で考えるための材料、ヒントとして認識すべきなのです。

理央 周 著 『8割捨てる!情報術』(日本経済新聞出版社、2017年)「第4章 情報デブを脱して、自分で考え、動く」から

理央 周(りおう めぐる)

本名、児玉洋典。マーケティング アイズ株式会社代表取締役、関西学院大学経営戦略研究科准教授。1962年、名古屋市生まれ。静岡大学人文学部経済学科卒。大手製造業勤務などを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBAを取得。アマゾンジャパン、マスターカードなどでマーケティング・マネージャーを務めた後、2010年より現職。マーケティングに特化したコンサルティング、研修、経営講座に携わる。2013年9月より、関西学院大で教鞭をとる。著書に『サボる時間術』(日経プレミアシリーズ)『「なぜか売れる」の公式』『なぜか売れる営業の超思考』(日本経済新聞出版社)『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など多数。

8割捨てる!情報術

著者:理央 周
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,512円(税込)

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