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長島聡の「和ノベーションで行こう!」

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VRは発想の制約を取っ払う理想空間

第7回 GOROman こと 近藤義仁・エクシヴィ代表取締役社長に聞く

ローランド・ベルガー 日本法人社長 長島 聡氏

VRはコラボを加速するツール

長島 そうすると、未来のデバイスのインタフェースはどうなりますか。

近藤 AIを使った音声指示でしょうね。将来はほぼすべての人がAI秘書を持てる時代になると思います。さらに、フェイスブックは今年4月に開催した開発者向けカンファレンス「F8」で、脳から出る信号を使って文字を入力するシステムを開発中だとアナウンスしました。頭でイメージするだけで文章が書けるわけです。

 もともと、脳波や筋電位(筋肉を動かす時の電位)は電気信号ですから、そのままパソコンなどにデジタル信号として入力するのは合理的なんです。それに対し、音声入力というのは、もとの電気信号をいったん声というアナログ信号に変えて、それをまたデジタル信号に変える。つまり、DAコンバートをしてADコンバートするという二度手間ですから、本来おかしいわけです。

長島 確かにそうですね。コミュニケーションの進化についてはどうお考えですか。

近藤 ものすごく可能性があると思います。マイクロソフトのゴーグル型端末「ホロレンズ」を開発した責任者のアレックス・キップマンはこんな未来を語っていました。今は1人1台のパーソナル・コンピューター(PC)の時代だが、これからは協力して作業を進めるコラボラティブ・コンピューティング(CC)が主流になると。そのツールとなるホロレンズが1人1台に普及し、離れた場所でも目の前に同じデータや同じ景色を表示しながら議論ができる。VRはコラボレーションを加速する役割を果たせると思います。

長島 インターネットも距離の概念をなくしたという意味で、画期的な技術でした。VRはいま見ているものを共有できる。つまり短時間で共有できるものが増えるということですね。

近藤 人類の歴史を振り返ると、伝えたい、残したいという欲求を常に持っていたんですね。壁画から始まり、文字が発明されて、石に書いたり、竹に書いたり。活版印刷の発明で飛躍的に共有できる範囲が広がり、さらに写真や映像へと発展し、VRは体験をそのまま共有できるようになりました。その意味では、やっていることは昔と変わらず、精度が上がっているだけとも言えますね。文字と写真、映像では与えるインパクトが全然違いますが、VRはさらに直接的で誤解が生まれる余地は少ない。究極のコミュニケーションツールだと思います。

長島 これから自分に欲しい能力ってありますか。

近藤 そうですねえ、wifiやネット環境に直接つながりたいですね。いちいちスマホやパソコンを見るのは面倒なので。

長島 それって、どうやってできるんですか!?

近藤 頭の後ろにケーブルをつなぐんです。USB5.0とか(笑)。人間の視覚は前方180度くらいしか見えません。だから頭の裏側を、情報を検索したり、データをためたりするのに使えればいいと思いませんか。

長島 うーん、可能かどうかは別として、思い付いたことをすぐ調べられれば、アイデアがさらに膨らみやすいでしょうね。

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