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タカタを経営破綻に追い込んだ危機対応の失敗

郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士 郷原信郎 氏

 主力製品であるエアバッグの異常破裂によって、多数の死傷者が発生し、世界中で大規模なリコールに直面したタカタは6月26日、法的整理を申請し、経営破綻した。

 以前この連載の「タカタ問題とパロマ問題に共通する『世の中の誤解』」で述べたように、この問題は、「危険な製品を生み出したタカタに全責任がある」というように単純に片付けられるものではない。

 タカタは、独自の技術開発によってエアバッグを膨らませるための火薬に、加工や品質管理が困難である一方で、ガス発生力に優れた特徴を持つ硝酸アンモニウムを唯一採用することができた。そのためにタカタ製のエアバッグは、安全性に優れた製品として高い評価を受け、世界2位のシェアを占めていた。

 この硝酸アンモニウムが、問題となったエアバッグの不具合につながった。他社が採用した硝酸グアニジンを含め、通常の場合、火薬は経年劣化すると燃焼速度が低下する。つまり、エアバッグで言えば「不発」につながる。しかし、タカタが採用した硝酸アンモニウムについては、高温多湿など一定の条件が重なった環境で経年劣化した場合、逆に燃焼速度が異常に上がり、「暴発」に至る可能性があることが判明したのである。

 火薬の劣化は、現れ方に違いはあるが、あらゆるエアバッグに共通したリスクであるにもかかわらず、エアバッグに定期交換の制度がないことや、車の使用環境や車体設計は、部品メーカーがコントロールできるものではないことなどを考えれば、エアバッグの不具合に関する問題は、単純にタカタ一社だけを責めることで済むものではない。

 しかし、現在のように、世の中からは、ほとんどタカタ一社の不祥事のようにとらえられ、法的整理に追い込まれるという最悪の事態を招いたことの原因として、タカタの危機対応の誤りがあったことも否定できない。タカタの危機対応のどこにどのような問題があったのか、どのように対応すべきだったのかを考えてみたい。

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