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GRIT!やり抜く変革マネジメント

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社長の「想い」、伝わっていますか?

マネジメントソリューションズ 有馬亮二氏

プロセスは重要だがそれだけでは不十分

 自分の会社で実施した変革プロジェクトがこうした状況になった場合、自信を持って「変革が成功した!」と言える方は少ないでしょう。もちろん、自信を持って「成功した!」と言える変革を実現するのはハードルが高いのですが、そのハードルを乗り越えるための基本的な変革プロセスは整理されています。

 例えば、リーダーシップ論の第一人者である、ジョン・P・コッター氏の著書『企業変革力』は大変参考になります。同書は、企業の変革において発生しやすい8つの過ちを挙げ、それらを回避するための対応策を8つの段階で定義しています(図表1)。それぞれの具体的な内容は本書を参照してほしいのですが、これらすべてを確実に実行することが、企業変革を成功させるためには、まず必要です。

図表1 大規模変革推進のための8段階の変革プロセス

 ここで指摘したいのは各段階の変革プロセスは、社長の「想い」があってこそ本物になることです。

 実際に変革プロジェクトを推進している現場では、思っている以上に、"形だけ"のプロセスになりがちです。例えば「何のためにこの変革プロジェクトをやっているのですか?」という問いをプロジェクトメンバーに投げかけると、「上司に言われたからやっている」「そもそも、何が良くなるかわからないが、決まったことだからやっている」という答えが来る場合がありますが、これは問題です。しかもリーダーである社長には面と向かってそんなことを言わないのでやっかいです。

 こうした意識を持つ原因は、プロジェクトメンバーである従業員のわがままや認識不足などにあるでしょうが、すべての原因がメンバーにあると考えて片付けるのはいかがなものでしょうか。

 プロジェクトの目的がわからないと発言している従業員を実際に見つけたとき、リーダーは、どうすべきでしょう?「わかる人間だけやればいい」と見て見ぬふりをすればやがてメンバー全員のやり抜く力が弱まるかもしれません。見つけたら、その従業員が理解できるまで、自ら話をしたり、信頼を置いている幹部に対応を指示したりすべきでしょう。

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