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経営層のための「稼ぐ力」を高める不動産戦略

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ヒトはどこで働くべきか、仕事場選択の時代

JLL 執行役員 コーポレート営業本部長 佐藤 俊朗氏

 厚生労働省発表の5月の有効求人倍率は1.49倍と、元巨人の長嶋茂雄氏が現役引退した1974年以来の高さを記録した。企業は深刻な人手不足に陥っている。その貴重な人材が働き方改革を実現しながら、高い生産性をもって働く環境がなければ、日本企業の「稼ぐ力」は弱まる。

 日本企業のオフィスでは社員が勤務時間の75%を同じ机で仕事をしているという(JLL調べ)。固定席によって自分の居場所が確保されるという安心感は、逆転させて考えれば、固定席に縛られた柔軟性のない働き方とも言える。いったん、いま自分の座っている固定席の縛りから解放された発想で見渡してみると、さまざまな仕事場があっていい、選択肢があった方がより良く働き、生きることができると思えてくる。

メガプレートの柔軟なオフィスが可能にするものとは?

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは新オフィスで業務刷新を進める 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは新オフィスで業務刷新を進める

 ワンフロア1,000坪を超えるメガプレート(ワンフロアの面積が大きいオフィスのこと)の紀尾井町の新築オフィスに「情報の交差点」とする本社オフィスを移転したヤフーは、オフィスが従業員の働き方のリズムを変え、イノベーションを生み出す場所であるとしている。不規則な机の配置のフリーアドレスや、社外との接点となるオープンコラボレーションスペースなど、社内外のコミュニケーションを増やす様々な施設を配備した。社員の仕事場の選択肢や働き方変革のためのディバイス(装置)満載の最先端オフィスの事例として大きな注目を集めている。

 また六本木の高層ビルからオフィス機能の一部を有明の倉庫物件の最上階にワンフロア約5,000坪のオフィスを造って移転させたファーストリテイリングのUNIQLO CITY TOKYOも今後の動向が話題となっている。そもそもワンフロアで5,000坪ものメガプレートオフィスは日本では比類なきプロジェクトである。

 これらのオフィスプロジェクトは、ヒトの働き方の変革を通して、より効率的に仕事ができ、社員のエンゲージメントが向上し、かつ、企業価値や事業利益の向上に成功するかどうかが、その経営判断と不動産戦略の成否の分かれ目となる。

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