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グローバル市場インタビュー

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プロセスを確立し、リスクに挑む英国式

ケンブリッジコンサルタンツ リチャード・トレハン氏に聞く

「must do」はAI、「nice to do」は人間

――現在、イノベーションの世界ではAIの急速な進化を受け、人間とAIはどう共存すべきかが大きな論点になっています。人間の役割はどう変わっていくでしょう。

 AIは人間の仕事を奪うものではないと思います。AIは、まだコンテクスト(文脈、背景)を理解し、善しあしを判断することが不得意です。人間の役割はコンテクストを理解した上で判断すること。そして、判断した後のルーティン化できる作業はAIが担う。そういう役割分担になるのではないでしょうか。また、作業に充てる時間が少なくなるわけですから、人生を楽しむことも、人間の大きな役割の1つになるでしょう。

――AIを使いこなすには、どんな人材育成策が必要になるでしょうか。

 情報を解釈する能力を高める必要が出てくると思います。ビッグデータを解析するデータサイエンティストのような能力ですね。もう1つは、ルーティン作業をAIがこなすようになるので、高度なレベルのスキルが求められるでしょう。それは情報技術に限らず、様々な分野のスキルです。

 例えば、当社ではロンドンの地下鉄の乗降客数のデータをもとに、ルート変更や新駅の建設などが必要になるかどうかをシミュレーションしたことがあります。事故時の対策や混雑の解消策のために運行本数を増やすべきか、駅を新設すべきかといった「やらなければいけないこと(must do)」はAIが得意です。一方、社内の快適さやサービスといった「やった方がいいこと(nice to do)」は人間が考えた方がアイデアは出ます。そんなすみ分けができるのではないでしょうか。

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