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「経歴はカンペキ」なのに不採用

黒田真行 氏

 応募者側としては、既存社員に対して権威を持ちたい、あるいは家族や同僚、友人に対して「部長待遇で迎えられる」という体裁を整えたい気持ちがあります。ところが、企業側では、「まずはフラットな立場で入社し、職場や既存社員になじんだ上で、周囲が認めるかたちで昇格させたい」と考えるケースも少なくありません。肩書を持つことに強くこだわる応募者は、「肩書がないと仕事ができないのか」という不信感を抱かれ、破談になることもあります。

無意識のふるまいが不信感を与える

 採用・不採用のボーダーラインにいる場合などは、ほんのちょっとした「引っかかり」によって、一気にマイナス評価に傾くことがあります。森本千賀子氏が面接に同席したときに、実際にあった事例を聞きました。

 「Mさんの面接はスムーズに進みましたが、最後の最後で面接担当者が首をかしげることが起こりました。

 面接担当者が『何か質問はありますか?』とたずねると、Mさんは会社の業績や今後の事業計画に関する数値について細かく質問。面接担当者は数値データを示しながらていねいに回答しました。しかし、Mさんは、ふんふんとうなずくだけで一切メモを取らなかったのです。聞いただけで数値が示す意味が理解できたとも、数値を記憶できているとも思えません。

 面接対策本などにはよく、『最後に質問があるかたずねられたら、必ず何か質問すべし』と書かれています。Mさんは、それを表面的に行っただけなのが見てとれました。結果、Mさんは『本気度』が低いと見なされ、採用を見送られました。

 一方、Nさんの場合、『コミュニケーション力』に疑問を持たれ、不採用となりました。おそらくNさん本人は、質疑応答を問題なくこなしたと思っていたでしょう。確かに、口頭での受け答えはスムーズでした。しかし、Nさんは面接担当者3人を目の前にして、終始1人としか目を合わせなかったのです。

 面接の場には、社長、人事部長、私の3人が出席し、人事部長が質問を行いました。それに対し、Nさんは人事部長の方だけを向いて答え続け、私と社長には一度も目を向けなかったのです。これが『コミュニケーション力に難あり』という評価になってしまいました。

 これはNさんに限らず、よく見るケースです。面接の場に複数の人がいた場合、質問者は1人でも、なるべく視線を全員に均等に振ることを心がけてください」(森本氏)。

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