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石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

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複雑なものを、複雑なまま、ビジュアルに!

電脳クリエイターの出雲翔氏に聞く

予防医学者 石川善樹氏

石川 なるほど。昨今はビッグデータが話題ですが、創造という観点から、出雲さんはどのように捉えていますか?

ブラックボックスをホワイトボックスに

出雲 翔(いずも しょう)<br>

1989年埼玉県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。ビッグデータの解析、ビジュアライゼーションなどを通じて、人間とコンピューターの共創によって生まれる創造性、「Computational Creativity」に取り組んでいる。専門分野は、機械学習、統計解析、データ・ビジュアライゼーションなど。 出雲 翔(いずも しょう)
1989年埼玉県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。ビッグデータの解析、ビジュアライゼーションなどを通じて、人間とコンピューターの共創によって生まれる創造性、「Computational Creativity」に取り組んでいる。専門分野は、機械学習、統計解析、データ・ビジュアライゼーションなど。

出雲 たとえば、自動運転やGoogleの囲碁ソフトなど、ビッグデータ×AIによって「できること」は増えたと思います。しかし......

石川 しかし?

出雲 あえて問うとするなら、ビッグデータによって、人間や社会に対する「理解」は進んだでしょうか?

石川 なるほど、どうでしょうか?

出雲 私は「ノー」だと思っています。

石川 その心は?

出雲 そもそも科学は、「現象」と「理解」を車の両輪にして発展してきました。たとえば、囲碁ソフトが新しい一手(現象)を発見するとします。するとその背景を理論として「理解」し、そこからまた新たな「現象」が生み出されていくのが理想です。

石川 ところが、現状は片側の車輪しか動いていないと。あくまで聞きかじりですが、「なぜAIがその一手を打ったのか?」について、プロ棋士の間でも「理解」が進んでいないみたいですからね。

出雲 はい、確かにGoogleの囲碁ソフトは「新しい現象」を提供してくれました。しかし、その背景にある「なぜ?」については、まだまだブラックボックスとなっています。うまくビジュアル化して、「ブラックボックス」を「ホワイトボックス」にすることが「理解」を促し、囲碁に対する「新しい視点」を提供するかもしれないと感じています。

石川 面白いですね!ところで出雲さんが取り組んでいるプロジェクトに「料理とは何か?」という壮大なプロジェクトがありますが、詳しく説明してもらえますか。

出雲 はい。私たちはまず、世界各地のレシピデータを集めてきて、その構造を見てみました。具体的には、それぞれの国のレシピは、何個の食材(トマト、ジャガイモ、塩など)で作られているのか見てみたのです。

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