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石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

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複雑なものを、複雑なまま、ビジュアルに!

電脳クリエイターの出雲翔氏に聞く

予防医学者 石川善樹氏

人と機械は対立でなく「共創」すべき

出雲 おそらく多くの方がそう思われると思います。それもそのはずで、「全世帯の約3分の2」が1820万円の貯蓄額を下回っています。これは少数の世帯がたくさんの貯蓄を持っているために平均が押し上げられる、といった構造をしているからです。ビジュアル化すると分かりやすいので、こちらを見てください。

貯蓄現在高の階級別世帯分布(2016年、2人以上の世帯)<br>

出典:総務省「家計調査報告」 貯蓄現在高の階級別世帯分布(2016年、2人以上の世帯)
出典:総務省「家計調査報告」

 このように、ビジュアル化してはじめて、データの構造が見えてくることがあります。

石川 たしかに!他にも何か例はありますか?

出雲 すごく面白い研究を紹介させてください。これは最近、とある学会で発表されたばかりの研究なのですが、まずはこちらのアニメーションをごらんください。

石川 最初は恐竜の図だったのが、その後いろいろな図に変化していますね。

出雲 驚くべきことに、実はこれらの図はすべて「平均値、分散、相関係数」が同じなのです。

石川 へー、面白いですね!

出雲 つまり何が言いたいかというと、ビジュアル化してはじめて、データの構造が見えてくるのです。

石川 私なりに整理すると、出雲さんのお仕事は、(1)ビッグデータを「可視化」し、(2)データの「構造」を見出し、(3)ものごとの「新しい視点」を提供する、ということだと理解すればいいでしょうか?

出雲 はい、素晴らしく説明していただきありがとうございます(笑)。専門的に言えば、そのような仕事はComputational Creativity(計算創造学)と呼ばれています。そもそも、創造(クリエイト)の語源は「クレオ」といって、「自然が作り出したもの」という意味です。人と機械は対立構造で語られることが多いですが、そうではなく人と機械が共創することで、いかにして自然の圧倒的なクリエイティビティ―に近づけるか、ということを目指しています。

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